〈エミ視点〉








亜香里ちゃん達と気まずくなるのが怖くて

「残る」と言ったけれど

「コレに着替えて」と渡された衣装を見ると

とても着る勇気はなく二人に謝って

私も荷物を掴んで直ぐにお店の外にでると

看板の影に笑実ちゃんの姿が見え

「笑実ちゃん、私も帰る」と声をかければ…





シュウ「えっ??沙優ちゃん?」





シュウ先輩達がいて驚いて足が止まったけれど

笑実ちゃんが泣いているのが見え(えっ?)と思い

駆け寄って行くとカオル先輩が

怒った顔でコッチを見てくるから

私も笑実ちゃんを掴んでる腕をチラッと見た





( ・・・・・・ )





カオル先輩の手は笑実ちゃんの服が食い込む位に

ギュッと掴んでいるから多分痛いはずだ…




先輩が腕を離した瞬間「帰る」と言いながら

手を握ってきた笑実ちゃんの目からは涙が流れていて

先輩達に何かされたのと問いかけると






コウ「いや…何もしてないよ…」





ヒョウ「まぁ…したのはカオルだけだよね?」






カオル先輩の方を見ると

まだ怒った顔をしていてやっぱりヤンキーなのかなと思った





シュウ「・・・・二人ともこの店で何してたの?」





シュウ先輩の言葉を聞いて

笑実ちゃんが何も話していないんだと分かり…

多分私たちの為に何も言わなかった事も分かった…




周りの通行人もコッチを見ていたから

「とりあえず帰ります」と言って笑実ちゃんの手を引いて

帰ろうとするとカオル先輩がまた笑実ちゃんの腕を掴んで…






カオル「今日はこのまま抜ける」






ヒカル「わぁー…合コン人数足りなくなるんだけど?笑」






ヒョウ「開始早々人数合わないは気まずいから…

  一緒に来たらいい?笑

  カラオケだし部屋別にとって遊んでなよ?」






ヒカル先輩達は「それがいい!」

1時間位経てば消えていいからと言って

私たちに「おいで」と言うけれど

笑実ちゃんは「帰る」とずっと首を横に振っていた

 





( ・・・・無理かな… )






やっぱり帰りますと言おうとすると

笑実ちゃんの腕を掴んでズンズンと歩いて行く

カオル先輩に驚いて「待ってください」と後を追うと

直ぐ近くあるカラオケ屋へと入って行った…





カオル先輩は小さな部屋を一つ取り

笑実ちゃんと私にそこで時間を潰しててと言うと

扉を閉めて合コン用に予約している

大きめな部屋に歩いて行った…




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