〈エミ視点〉







デザートも食べ終わりそろそろ帰りたいなと思うけど

先輩達は自分達の学部の話をしだして

会話に入ることもなく先輩達の間に座っている

沙優ちゃんと目を合わせ何となくお互い小さく顔を頷かせた





( ・・・コンパニオンみたい… )





コの字型の席で直ぐに立ち上がって

「ありがとうございました」と帰れる様な位置にはいないし

隣のカオル先輩はまた腰を抱くかの様に

私の後ろ側に手をついていて笑ったりする度に

体をコッチに寄せてくる…





ヒカル「あっ!ルナ達だ」





ヒカル先輩が顔をあげて入り口に向かって手を振りだし

ルナ先輩があの怖い雰囲気の先輩だった事を思い出して

振り返らないで沙優ちゃんの顔を見ると

沙優ちゃんも少し気まずそうに顔を俯かせていた






ルナ「また皆んなで集まってるの?笑」






ルナ先輩の声が近づいて来て何となく

カオル先輩の横にいるのを見られたらマズイ気がして

先輩とは反対側の先輩の方に体を傾けた






ケイ「あれ?女の子もいたんだ?」





ルナ「・・・あぁ…あの時の1年生達ね…」






「こんばんは」と頭を下げて先輩達の

大人っぽい格好を見ながら今更ながらに

今日の自分の服装に小さく傷つき尚更帰りたくなった






コウ「一緒に座るか?」





ケイ「座りきれなくない?笑」





「あっ!私達はそろそろ帰らなきゃいけないので…」






そう言って沙優ちゃんを見ると顔を強く縦に振っていて

「ありがとうございました」と先輩達に頭を下げて

逃げる様に席から離れて行った





お店から出て「怖かった」と小さく言いながら

車へと歩いて行き助手席に座って

ふと自分の左足が寂しく感じた…





( また皆んなで飲むのかな… )





そう思いながらシートベルトをしめて

車がゆっくりと動き出し「笑実ちゃん時間大丈夫?」と

沙優ちゃんが聞いてくるから

真っ直ぐ帰りたくないのかなと思い「大丈夫だよ」と

答えて何処に行こうかと話していると

車の後ろ側からコンコンと音がして驚いて振り返ると





シュウ「停まれってば!」





シュウ先輩とカオル先輩がいて

少し息切れしている様に見えるから

走って来たのかなと思った




車を停めて窓を降ろすと

「俺が運転するから助手席に行け」と

沙優ちゃんに言い…




二人で「え?」と戸惑っていると

後部座席のドアが開き「笑実ちゃんはコッチにおいで」

と言いながらカオル先輩が座ってきた…






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る