先輩

〈エミ視点〉







顔を上げると優しい顔のカオル先輩に戻っていて

何も言わないでいると





カオル「泣いてるかと思ったけど…意外だね?笑」




「・・ちゃんと怖かったですよ?」




カオル「ん?何ソレ?笑」





相変わらず面白い子だねと言いながらシートベルトを

外して私の手を引いて車から降ろすと

「ご飯まだなんでしょ?」と問いかけてきたから

小さく頷くと、シュウ先輩と沙優ちゃんに

「いつまでやってんの」と

一声かけてからファミレスの方に歩いて行った




入り口に近づいて行くと

あのイケメン先輩が出て来て「災難だったね?」と

口を四角にして笑っていて…



 


( 全然…そんな風には見えないけど… )





心配と言うよりかは楽しんでいる様に見えて

何も答えずにイケメン先輩を見ていると






ヒョウ「反省してるし、好きな物御馳走してもらいなよ」





「・・ご馳走?」





どう言う意味だろうと思いながら

カオル先輩に手を引かれ店内に入ると

あの日の飲み会にいた先輩達が席に座ったまま

「あーハイハイ!」と私を見てニヤニヤとしだしたから

あの日寝室でカオル先輩から抱かれた女だと覚えられて

いるんだろうと何となく分かった…





先輩達のいる大きめの席に連れて行かれ

沙優ちゃんはまだかなと不安になって振り返ると

「大丈夫だよ」と

笑うカオル先輩の声が聞こえ

ソファー型の椅子に座らせられて

隣りにカオル先輩も腰を降ろした





沙優ちゃんとシュウ先輩も席にやってきて

少し安心しているとメニュー表を開いて

「どれが食べたいの?」と聞いてきながら

顔を近づけてくるカオル先輩に緊張して

「コレです」と言い少し離れると 

「ふふ…」とあの可愛い笑顔で笑い

「そっちは?」と沙優ちゃんに聞いていた






シュウ「泣いて腹減っただろうから沢山食えよ?笑」





サユ「忘れてください…」





ヒョウ「シュウが優しいの珍しいね?笑」





シュウ「沙優ちゃんは出身一緒だからな?

  こう…地元愛みてぇなのあるじゃん!笑」






ただのスケベな先輩じゃなかったんだと思いながら

笑っていると「笑実ちゃんも県人会参加しなきゃだね」と

話した事もない先輩に言われ「そうですね」と頷くと







カオル「笑実ちゃんの事は馨先輩が守ってあげるよ?笑」





「・・・・・・」





ヒョウ「そりゃ抱いたからには面倒みなきゃね?笑」





シュウ「じゃー俺ら皆んな

  すげぇ数の女の子守んなきゃいけねーじゃん笑」





「・・・・」






やっぱり…すけべな先輩達だ…



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