知らないふり

〈エミ視点〉







あの日の事は…

皆んな、なかった事にしたいみたいで

あまり口にする事はないまま数日が経った…





あの場では舞い上がって浮かれていても

私たちは大人でもないけど

何にも知らない子供でもない…

あの場にリアルなものなんて一つもなく

ただの暇つぶしだって事も…分かってる…





お昼の休憩時間にとなりの姉妹大学を

指定された教材を買いに4人で歩いていると

「沙優ちゃん?」と後ろから声が聞こえてきて

足を止めて振り返るとあの日泊まった部屋の主人の先輩達が近づいて来てその中にはカオル先輩の姿もあった…






サユ「先輩達ちゃんと学校来てるんですね?笑」






シュウ「学校には来てるよ?

  授業に出てるかは分からないけどね」






皆んなそれぞれ何かあっているだろうけど

そんなのを感じさせない位に…

顔見知り程度ですという距離感で話していて

私はカオル先輩の方を見る事なく

沙優ちゃんと話しているシュウ先輩の首元辺りに

目線を向けて笑っていた





3限目も授業があるからと頭を下げて

先輩達と別れ教材を買いにまた歩きだすと

亜香里ちゃんが「変だよね…」と呟いて笑い出した






リナ「・・・・確かに?笑

  あの日はあんなに…色々あったのにね…

  これが大学生ってやつなのかな?笑」






そう笑いながら歩いて行き

教材を手に短大の方へと戻っていると

先輩達はまださっき会った場所にいて…







女「6人位で行くからお酒宜しくお願いしますね?」





ヒョウ「手土産は?笑」





女「6人じゃ不服ですか?笑」







うちのクラスの別のグループの子達と

楽しそうに話していて

顔を向けない様に歩いて行き

もう二度と関わる事もないだろうと思っていた





( キス以上しなくてよかった… )





翌週には別の子達とも合コン…という名の

乱れた集まりをしていて先輩達は

あっという間に有名になっていた…




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