第4話 腕が痛い
腕の中が熱くて痛い。
耳鳴りが始まってから一ヶ月程度の間に目と喉がおかしくなった。視線が細かく震えて文字が読めない。喉は苦しくていつも左手で引っ張っている。今度おかしくなったのは腕だった。右腕が痛い。腕の中、神経のようなものが炙られるように痛む。発疹も熱も何もない。動かさなくても、暖かくしていても、冷やしても痛い。朝昼夜の区別なく痛い。触っても動かしても痛みは強くも弱くもならない。奇妙な痛みだった。痛みのせいで腕が動かないということもない。ただジリジリと痛い。
レントゲンを撮っても何も出てこなかった。そのうちそれは、右手の甲の先から背中まで広がった。ずっと痛い。背中が痛くて起きていることが辛くなった。頻繁に横になるようになった。研究室にソファがあってよかった。結局痛みは左手まで広がり、そこで止まった。
化学繊維でできた服は、痛くて着られなくなった。不思議と天然繊維は大丈夫だったため、服を買い替えた。
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