第33話 (2日目)文化祭は色々と大変だ【ライバル】


真剣な表情で蒼に話し出す由衣……。


由衣[実はね…………]

蒼[う……うん]

由衣[あたし………………優斗のコトが……好き]

蒼[!]


蒼は由衣のその言葉を聞き……固まった。


蒼[……え……ぁ…………]

由衣[…………]


2人はそのまま沈黙した……蒼の頭の中では色々な事が駆け巡る……。優斗と自分の今までの事……由衣との今までの事……これからの事……そんな事が頭の中を駆け巡り言葉も出ないまま沈黙していたら……由衣が……。


由衣[ご……ごめんね]

蒼[ぁ……ぇ……な……なんで謝るの……?]

由衣[………………だって…………蒼も……優斗のコトが……好き……なんでしょ]


蒼は由衣から、そんなコトを言われるとは全く思っていなかったため……思考が追い付かなく……言葉を詰まらせた。


蒼[……ぁ……ぇ………えー…と……]

由衣[そ、そんなに動揺しなくていいよ(苦笑)なんとなく……蒼の行動見てて……分かってたしね……(笑)]


蒼は由衣にバレていたと思うと、恥ずかしくなり顔が赤くなった。それと同時に隠していた事を悪く思い即座に謝った。


蒼[…うん……ご…ごめんなさい……]

由衣[だよね~(笑)……やっぱりか~……]

蒼[…………]

由衣[あ!べ、別に責めてないよ、ただ……分かっては…いたけど……やっぱりそうなんだぁ……って思ってね(苦笑)…………それに、あたしが蒼に優斗のコトが好きだって言ったのは……優斗のコトを諦めて欲しいからじゃないから]

蒼[……ち……違うの……?]

由衣[違うッ違う!(笑)……あたしはね……優斗の事も好きだけど、蒼のコトも大好きだから……何か……これ以上黙って置けないなぁって思ったの……黙ってると……1人でモヤモヤして……どうにかなりそうだったし…………それに、蒼には知っておいて欲しかったの……]

蒼[……それは……どうして?]

由衣[それは……大好きな蒼を嫌いになりたく無かったから……だと思う…………たぶん…………このまま何も言わずに……もし、蒼と優斗がそのまま………くっついちゃったら……自分の事も責めて、蒼の事も嫌いになっちゃって……取り返しが付かなくなりそうな気がしたから…………だからッ蒼に伝えたの…………蒼が優斗のコト好きなの知ってて蒼に言うのは……どうかなって思ったけど…………だけど!……あたしも優斗のコトが好きだしッやっぱり……諦めたくないから…………ごめんね……蒼……身勝手で…………蒼に嫌われても仕方ないと思う……]


蒼は少し黙った後……。


蒼[……そんなコト無いよ由衣]

由衣[…………でも……]

蒼[由衣は……あたしにとっても大事な親友だもん……それにあたしも由衣のコトが大好きだしッ……ちゃんと本当の気持ち言ってくれて嬉しかった]

由衣[……蒼]

蒼[……だけど…………あたしも……優斗のコトが大好きだからッ諦めたくないッ……]

由衣[…………うん…………知ってる(苦笑)蒼はそう言うと思ってたよ]

蒼[……そ……そうなの?……]


由衣は優しく微笑みながら。


由衣[うんッ……だから……コレからはライバルッってことでどうかな?]

蒼[ライバル?]

由衣[そぉッライバル……あたしは蒼に負けないように優斗にアタックするし、蒼もあたしに気を使わないでいいから、アタックしてよ(笑)だからコレで、お互いに勝負し合うし、言い合いッこ無しってコトでどうですかッ?]


蒼は少し考えていた……なぜなら……もう既に優斗と自分【蒼】は……正式に【付き合って】は、いないものの……お互いに【好き合ってる】と言うことを分かっていたからだ……しかし蒼は……コクッと頷き。


蒼[うん…わかった]

由衣[うん、それじゃぁあたしも頑張ろうっと!まぁ……まだ、蒼に負けてると思うけど(苦笑)それでも、諦めないから覚悟しててッ(笑)]

蒼[あ、あたしも負けないもんッ]

由衣[フッフフフ]

蒼[フフ……(今の……優斗とあたしの関係は由衣に言えないなぁ…………それに………この先、優斗の気持ちが由衣に行くかもしれない…………由衣は可愛いし……優しいし……気が利くし……だから……優斗は離れるかもしれない…………でも……離れるのは嫌だ……)]


蒼は内心不安になりつつも由衣との、恋の協定【勝負】を結んだのだった……優斗の知ることの無い所で……。


蒼[あ、由衣……戻ろっか]

由衣[……そ……そうだね(苦笑)……やっぱり……ちゃんと皆に謝んないとね……]

蒼[そうだね、偉い偉い(笑)あたしも一緒に謝ってあげるから]

由衣[うん、ありがとう蒼ッ]

蒼[それじゃ行こっか]

由衣[うん]


そして、2人は教室へと戻っていった……。

戻る最中……2人の心の中では……。


蒼、由衣[(あ…………優斗と……キスした事は……言えない……はは……)]


お互いに同じ事を考える、ある意味仲の良い2人であった。





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