第32話 (2日目)文化祭は色々と大変だ【丸見え】


蒼[はぁ……はぁ……ま、待って……由衣ッ]

由衣[はぁ……はぁ……あおいーー!……付いてこないでーー!]


蒼は由衣を見つけたのだったが……由衣か走って逃げてしまっていたのだ。

それを追いかける蒼。

文化祭を楽しんでいる周りの生徒達も……どうした?と言う感じで走る2人を見ていた。


男子A[……何だアレ?]

女子A[どーしたのー?]

男子A[さぁ?]

男子B[どうした?どうした?]

男子C[お!あれ!美人で有名な蒼ちゃんと由衣ちゃんじゃね?(笑)メイド服じゃん!パンツ見えそう~(笑)見えるかな?(笑)]

女子B[何言ってんのバカッ]


そう言って女子Bが男子Cの肩を叩く。


男子C[あはははッ冗談だって~見えねーよ(笑)]


すると、蒼が勢いよく転んだ……。


男子C[……あ……転んだ……]

女子B[…う……うん……転んだねぇ……]

男子C[……見えた……見れた!]

男子A[まじか!]

男子B[あ、ホントだ]

男子ABC[……う!うぉーーー!(笑)]


蒼は綺麗にうつ伏せに転び……スカートが捲れ……しっかりとパンツが丸見えになっていた……そんな様子を男子ABCは横一列に並びながら興奮して喜んで見ていた。


男子A[今日はラッキーデーだなッ!おい!(笑)]

男子B[いや~ホントそーだな~ははは……でもぉ……怪我してないかな?助けに行く?……]

男子C[やった!やった~!神様~ありがっ……ぐっ!!?]

男子A[ぐはッ!!?]


女子Aと女子Bが後ろから、男子Aと男子Cの脇腹にショートフックをくらわせたのだった……。


男子B[ん!?え?どーした?お前ら?……]


両サイドに居た男子Aと男子Cが膝から崩れ落ち……地面に手を付い脇腹を抑えていた……。


女子A[しね!]

女子B[し・ね!]


どうやら女子達2人は男子Aと男子Cに好意があったようだ……そんな事も知らずにアホな男子達は……蒼のパンツを見れて興奮していたのだ…。


女子A[サイテェ……]

男子A[……ッ……え?え?何で?]

女子B[ほんッッッと最低だわ]

男子C[痛……ッてッてッ……な、なんだよ別に見ただけじゃん]

男子B[だ……大丈夫か?……お前ら……]


……そんなやり取りは、さておき……蒼はと言うと……。


蒼[いたたた……]


蒼は恥ずかしい……と思いつつ、かなり勢いも良かったので……痛くてゆっくりと起き上がろうとしていた。

走って逃げていた由衣も振り向いた時に、そんな蒼に気付いて立ち止まっていた……。


由衣[…………んッ~……もうッ]


蒼の元へと駆け寄る由衣。


由衣[蒼ッ大丈夫?]


見上げる蒼。


蒼[由衣……こ、転んじゃった……(笑)]

由衣[もぉ~何やってんのよぉ……ほらしっかりッ大丈夫?]


手を差し伸べる由衣。


蒼[ごめんね……あ……ありがとう由衣(笑)]

由衣[別に良いけど……蒼……パンツ丸見えよ]

蒼[え!?]


蒼は顔を赤くさせながら捲れたスカートを直ぐ様戻した。


蒼[ゆ、由衣ッすぐに言ってよッ]

由衣[ファンサービス的で良いかなって思って]

蒼[な、なにそれッ意味分かんないよッ]

由衣[だって~蒼がいつまでも追い掛けてくるから意地悪したくなったんだもんッ]

蒼[そ、それはッだって由衣がいつまでも逃げるからッ]


少し沈黙した後。

2人は同時に……。


由衣、蒼[ぷッあははは(笑)]

由衣[あははッ何~このやり取り~(笑)]

蒼[あはははホントだね~(笑)]

由衣[あ~ぁ蒼~膝擦りむいて血が出てるよ]

蒼[あ……ホントだ……]

由衣[ったく~(笑)ほら保健室行くよ一緒に行ってあげるから]

蒼[う、うん、ありがとう]

由衣[大丈夫?歩ける?]

蒼[さすがにコレくらいなら歩けるよ(笑)]

由衣[そっか(笑)……でも、追い掛けられてたあたしが逆に蒼を保健室に連れてくなんて(笑)]

蒼[す、すみません……(苦笑)]

由衣[あははッごめん意地悪言った(笑)]

蒼[もぉ~……由衣ったら…]


そして、2人は保健室へと向かった。


由衣[失礼しまーす…………アレ先生居ない?]

蒼[そーー……だね]

由衣[まぁいっかッ勝手にやっちゃお(笑)]

蒼[う、うん]

由衣[蒼、そこ座ってて~]


由衣はベッドを指差して蒼に座るように伝えた。


蒼[うん]

由衣[アレ~どこかな~消毒消毒~……う~~んと~~…………あッあった!あと絆創膏~……も!あったッ]


由衣は蒼の元へ消毒と絆創膏を持っていき、蒼の膝元でしゃがんだ。


由衣[蒼~ちょっと滲みるよ~我慢してね]

蒼[う、うん………ッ………]

由衣[うゎ~結構いったねぇ(苦笑)]

蒼[ぁはは……だよね]

由衣[蒼……せっかくの綺麗な脚なんだから気を付けないとダメだよ]

蒼[う、うん……気を付ける]

由衣[………………蒼]

蒼[なぁに?]

由衣[……ご……ごめんね……あたしのせいで……あの場の空気悪くしちゃって……]

蒼[大丈夫だよ、気にしないで]

由衣[……でも…………もう、戻れないよ……]

蒼[大丈夫!あたしも一緒に皆に謝るからッね?]

由衣[…………蒼は……いつでも余裕があるし……優しいね]

蒼[そ、そんなコトないよッよ、余裕とかないしッいつも失敗してばかりだよ(笑)]


そう言ってくれる蒼に突然感情をあらわにする由衣……。


由衣[そッ……そんなコト!……あるよッ]

蒼[……由衣?]


下を向きながら涙を流す由衣。


由衣[……そんなコト……あるもん……うっ……うっ……あ……あたしは……いつも……余裕が……無くてッ……口うるさいしッ……怒りっぽいくてッ……すぐに感情出しちゃうしッ…………蒼みたいに……優しく出来ないし………………もう…………ほんっっっとッ……自分が嫌になるよ……]

蒼[由衣……]

由衣[……ふぅ~…………]


涙をふく由衣。

そして、蒼の脚に絆創膏を貼り終え……。


由衣[はいッ……絆創膏貼ったからッ大丈夫だねッ…………ごめんねッ何か自分の愚痴とか聞かせちゃって……ぁ…はは……]


そんな由衣に……蒼が抱き付く。


由衣[蒼?……]

蒼[由衣はッ……由衣は優しいもんッ……少なくてもあたしは由衣の優しさに……いっっっぱい助けてもらって来たから分かるよ!……]

由衣[蒼………]


由衣も蒼に腕をまわし抱き締めた。


由衣[蒼……ありがとう……蒼にそう言ってもらえて……少し落ち着いた]

蒼[全然、何もしてないよフフフッあたしはホントの事を言っただけ(笑)]

由衣[…………うん……ありがとう……]


由衣はそう言って、少し黙った後……蒼の肩を持ち……少し離し……蒼の目を見て。


由衣[……蒼……あたしね……蒼に黙っていた事があるの……]


由衣の真剣な表情に……何を言われるのかと、少しドキドキする蒼……。


蒼[……な……なに?]






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