第14話 悪魔は勝つ!【夏休み編】


帰りのホームルーム中


先生[えー明日から夏休みに入るが、くれぐれも羽目を外しすぎたり、人に迷惑の掛かる行為はすることが無いように。それと、夏なので水難事故には気を付けてな]

生徒達[はーーい]

一樹[よっしゃーー!!夏休み!夏休み!待ってましたー!待ちに待った夏休み~!テンション上がるぅ~!]

優斗[はい、はい]

一樹[はい、はい、ッじゃねーよ!優斗!約束覚えてるよな!]

優斗[……え、何の事ですか?]

一樹[惚けるなぁ!俺がどんだけ我慢して待ってたか!普段お前んちに行かない代わりに、蒼ちゃんをプールに誘えって約束したよな!覚えてねーとは言わせねーぞ!]

優斗[……はぁ~……ちゃんと覚えてるよ……蒼に言っといたから大丈夫だ…]

一樹[おー!さっすが優斗!頼りになる男だねぇ~!]

優斗[……で、いつ行くの?日にちは?]

一樹[そぉそぉ!それでさ、俺もちゃんと計画してて!女の子、蒼ちゃん一人だと流石に気まずいと思ってさ、由衣ちゃんにも声掛けてたんだッへへッ]

優斗[え……由衣も来るのか?]

一樹[ん?由衣ちゃん誘っちゃまずかったか?]

優斗[いや、別にいいが、あいつ夏休み中ずっと部活あるんじゃないのか?]

一樹[だ・か・ら!由衣ちゃんが部活休みの日に合わせて行こうかなって思ってさ!]

優斗[あ~なるほどね~まぁ蒼も由衣と一緒の方が良いかもな、仲も良いし、一樹にしては良い配慮だな]

一樹[だろ~なんせ!これで美女二人の水着姿を見れちゃうだから(笑)そりゃ~頭フル回転させるわな(笑)へへへ]

優斗[………そっちか……]

一樹に[なんだよ!ノリわりーな!優斗!いいかよく考えてみろ……いや、よーーく妄想してみろ……二人の水着姿を……]


優斗は、この前の蒼の水着姿が思い浮かんだ。と同時に、由衣の水着姿も想像してしまった。優斗は耳と頬を赤くして。


優斗[……いや……まぁ……アレだな……うん悪くは…………ないよな……]

一樹に[ガハハ!お前も男だね~(笑)まぁそ~言うことだ!]

優斗[……はは……]

一樹[で、日にちなんだけど、夏休み入って最初の日曜日なら大丈夫みたいなんだよね~優斗と蒼ちゃん大丈夫か?]

優斗[あぁ、俺は特に予定ないし大丈夫だ、蒼も大丈夫だと思うけど一応聞いてみるわ]

一樹[了解!じゃ聞いてみてOKなら後で連絡くれ、そしたら、由衣ちゃんに連絡入れとくから!]

優斗[分かった]


その日の夜。優斗は蒼の部屋へ行った。

蒼の部屋の戸をノックする優斗。

コンッコンッ


優斗[蒼、今、大丈夫か?]

蒼[優斗?うん、大丈夫だよ]

優斗[入るぞ、あの~さ、この前の言ってたプールの件なんだけど、由衣も一緒に行くらしくて部活の休みに合わせて行くから、夏休み入って最初の日曜日らしいんだけど大丈夫か?]

蒼[うん!大丈夫だよ、由衣からも聞いてた]

優斗[あ、そうなんだ、そっかそっか、まぁ仲良いからそりゃ~話すわな、了解じゃOKだな]

蒼[うん!楽しみだね!]

優斗[そ、そうだな!]

蒼[優斗……でも……あたし……泳げないかも]

優斗[え?泳げないって?]

蒼[あたし水泳の授業でも、泳ぐの苦手で……ちょっとしか泳げないから……少し不安……]

優斗[あ~そう言うことか、あ、でも、プールって言っても学校みたいなプールじゃないから大丈夫だと思うぞ]

蒼[そうなの?]

優斗[うん、泳ぐって言うよりは遊ぶって感じかな~流れるプールとか波の出るプール、あとはウォータースライダーとかだな]

蒼[そうなんだ~よく分かんないけど楽しそうだね!]

優斗[あぁ、それなりに楽しいと思うぞ、俺も久しぶりだけどな]

蒼[ねぇ優斗、ウォ?ウォーター?スライダー?だっけ?って言うのはどんな感じなの?]

優斗[ん~とウォータースライダーってのは~ようは水が流れてる滑り台だな、今回行く所のは、結構長くて勢いもあるからスピード出るしスリル満点だな!]

蒼[う~ん……ちょっと怖そう……]

優斗[まぁ大丈夫だって!行ってみて怖そうなら無理にやらなくても良いしさ]

蒼[うん!わかった]

優斗[あ、それと気を付けなきゃいけないのが、アレってさ勢いスゲーから女子だと水着…………]

蒼[ん?勢いすごいから?水着?]

優斗[いや……(これは言っといた方がいいよな……蒼の水着ヒモだから絶対危ないし……あのウォータースライダーの勢いだとポロ……リとかあり得るし……)]


優斗の頭の中で、天使と悪魔が闘っていた……。


天使(言っとくべきだ!取れたらどーするんだ!見えちゃうかもしれねーぞ)

悪魔(いや!いや!言わないべきだ!知らないフリしとけば良いんだって!お前のお得意な不可抗力だ!へへへ)


優斗[う~ん……あ……]

蒼[優斗?]

優斗[あ、えーと……い、勢い良いからさ!あ、頭とか打たないようにな!……ははは]

蒼[あ、そっか!うん、わかった優斗ありがと心配してくれて]

優斗[お、おう!……まぁ楽しみにしてようぜ!ははは……]


呆気なく悪魔が勝ったのであった……。


優斗[(ま、まぁ大丈夫でしょ……べ、別に絶対に水着取れるとは限らないし……ははは…)]


そして、当日。

待ち合わせ場所は優斗宅だった。


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