第4話 転入生


優斗[(一週間学校を休み続けた、あんな出来事があって中々行く気になれなかった。

あの後、母さんはアイツに…)]


母[あたしずっと女の子欲しかったの~!二人で買い物したり~お茶したり~色々と楽しそうじゃない!?]


優斗[(ってなんであんなに楽しそうにいられるんだ…父さんがいなくなったって言うのに…)はぁ~そろそろ学校行くかな…]


部屋から出てリビングへ行くと母がパタパタと何かしていた。


優斗[母さん今日から学校行くわ。]

母[そう、わかったわ私も色々と手続きあるから~]


優斗[(手続き…?なんのだ?まぁいぃや…)いってきまーす。]


俺の学校までは徒歩で10分くらい、まぁ全然近い方だ。


学校に着いてソッコー友達が絡んできた。


一樹[よぉ~優斗!お前一週間何してたんだ~?まさか彼女作ってバカンスでもしてたのか?]


こいつは中学からの同級生で【村田一樹】。


優斗[してねーよ!ばーか!そんな事より早く席に戻れ!もう始まるぞッ]

一樹[へいへい笑]


由衣[優斗、おはようー]


こいつは【吉岡由衣】小学校からの幼なじみ、と言っても中学の時に、優斗は今の家に引っ越したので、中学は別々だった。

由衣の性格は明るく誰にでも優しくて、スポーツ万能、容姿も綺麗で男女関係なく誰からもモテている。


優斗[おーおはよう由衣]

由衣[ずいぶん休んだんじゃないのー?まったくー!心配したんだからね!]

優斗[わりーわりー! ちょっと色々あってな!]


優斗は少し焦りながら答える。

優斗は窓の外を眺め…ぼーっとしていた…


優斗(はぁ~この先どーすんだよ…ったく…クソ親父…)


チャイムがなり担任が教室へ入ってきた。


先生[はーい皆席に着けー、今日は皆に転入生を紹介する]

皆[まじッどんなコかな~?可愛い子かなッ?ばーか女とはかぎんねーだろ!どーせもっさい男だろ(笑)]

先生[どーぞ]

転入生[失礼します]


ドアを開けるガラガラ


男子達[おー!!]

優斗[なッ!?]

先生[今日からこのクラスに入ることになった白鳥蒼さんだ皆仲良くしてやってくれ。]

男子[まじかー!めっちゃ可愛いじゃん!]

女子[え~ヤバッ美人~肌しろーい!]

一樹[やばぃ……かわいぃ……]

蒼[白鳥蒼です。宜しくお願いします。]

先生[お前ら騒ぐな!とにかく、白鳥さんは東條の隣の席が空いてるので、そこへ]

蒼[はい。]


蒼が優斗の隣の席に着く。

優斗が小声で…


優斗[おまえ、なんで学校来てんだよ!]

蒼[三咲が学校に行けって…]

優斗[………]


休み時間


母に電話を掛ける。


優斗[もしもし!母さん!どぉーゆーことだよ!あいつが学校に来るなんて!]

母[あいつじゃないでしょ!蒼ちゃん。]

優斗[いや、この際呼び方なんてどーでもいいんだよ!なんであいつが学校に来てるのかって聞いてんの!]

母[だからこの前も言った通り蒼ちゃんの脳は父さんの知識をそのまま受け継いでるから勉学に置いては天才よ、でもね、なぜか新しい知識を覚えるコトに関しては物凄く時間が掛かるみたいなの…それと、コミュニケーションを取るのも苦手みたいだから、それを補うためにも学校へ行ってもらった方が一番良いと思って。それに、母さんも仕事で、いつも家に居られるとは限らないし、だから蒼ちゃん宜しくね!道も中々覚えられないと思うから、優斗責任もって頼んだわよ!じゃ母さん忙しいから!]

優斗[っておい!一方的に!母さん!]


ツーッツーッツーッ


優斗[……責任もってって俺は保護者じゃねーっつーの…]


教室へ戻ると蒼の席の周りに女子達が囲むように群がっていた。


女子A[ねぇ!蒼ちゃんって何処の学校から来たの?家はどの辺に住んでるの?家族は?兄妹とかいる?]

女子B[そんなに一気に質問しても蒼ちゃん困るでしょ!]

女子A[だって~蒼ちゃん可愛いし気になるんだも~ん、彼氏とかいる~?]

女子B[もぉ~だから~]

一樹[蒼ちゃん……まじで…かわいぃ…俺、まじで惚れたわ…優斗…]

優斗(……コイツにだけはバレたらまずいな…面倒なことになる…)


移動教室の時…移動中


優斗はこっそり蒼へ近づき…小声で話し掛ける。


優斗[おい…おまえ、帰り教室では待ってるなよ…校門出た所で待ってろ、いいな!]

蒼[…うん…わかった]

由衣[……]


由衣が友達と話しながら移動中、チラッと優斗と蒼が話しをしていた所を見てしまった。


放課後


一樹[おーい!優斗、帰りゲーセン寄らね?]

優斗[悪い、一樹、俺ちょっと用があるんだわ…また、今度誘ってくれよ]

一樹[あー…そっか!うん、わかった、またな!]

優斗[はぁ~……]


一樹が先に帰る。

そこへ由衣がやってきた。


由衣[優斗!]

優斗[由衣、どーした?]

由衣[優斗さ…あの…蒼ちゃんと何か話ししてなかった…?あっ、あのほら移動教室の時…]


優斗は焦りながら。


優斗[あっ、あぁ!あの時ね!えーと…そぉ!分からない事があれば何でも聞いていいぞって言ってたんだよ!]


由衣[そッそっかそっか!そーなんだ…ごめんね!なんか変なこと聞いて!じゃあたし部活あるから~またね~]


優斗[お、おう、頑張れよー]

優斗(由衣のやつ何か、変だったなぁ?まぁなんとか誤魔化せたと思うからいいか…)


校舎から出ると蒼が校門の陰で1人で待っていた。


蒼[優斗…一緒に帰る]

優斗[あー、わーてるよ、母さんにも言われたからな。早く道覚えろよ]

蒼[…うん]


そのまま二人は会話もなく家へと帰っていった。


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