第3話 蒼い瞳


母と話し合ってると彼女が目を覚ました。

俺は直ぐに後ろを向き顔を合わせないようにした。

どうしたら良いか、わからない気持ちと苛立ちがあったからだ。


母が彼女に優しく[おはよう]

と囁きかけた。

彼女は静かに[おはよう]と返した。

父ではない…女の子の声だ…。


母[ここがどこかわかる?名前とか…何か覚えてる…?]

彼女[わからない…。]

母[そぅ…でも、言葉はわかるのね。生きていくための術は忘れてないってことかしらね。]

母[……あなた真っ白な肌ね…そして綺麗な蒼い瞳…]


母は少し沈黙していた。


母[(名前…付けてあげなきゃね……)]

そして…

母[……あなたは…白鳥 蒼… あなたの名前は白鳥蒼よ。]

彼女[シラトリ…アオイ…]

母[そぅ…だからそこにいるバカ息子の優斗にもあいさつしてあげて、ほら、優斗あんたもそっぽ向いてないで、こっち来てあいさつぐらいしなさい。]

蒼[ユウト…?]

蒼[ユウト…おはよう…]

優斗[はぁー………]


振り向いて彼女を見た瞬間…時間が止まった…

真っ白な透き通る肌…

綺麗な細い髪…

そして何より美しい蒼い瞳に俺は目を奪われた………。


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