●DEREK & DOMINOS「LAYLA & OTHER ASSORETED LOVE SONGS」(Polygram)

デレク&ドミノス。1970年にエリック・クラプトンが結成した4人組グループ。このファースト・アルバムではゲストに"スカイ・ドッグ"デュアン・オールマンを加え、緊迫感あふれる演奏、そして、リラックスしたクラプトンのヴォーカルを聴くことが出来る。


この邦題「いとしのレイラ」なるアルバムでも、数曲のスタンダード・ブルースが取り上げられている。まずはJ・コックス作曲の「だれも知らない」。夭折の天才R&B歌手、サム・クックのヴァージョンで知られているこの曲を、クラプトンはよりブルージーにアレンジして歌っている。


次には、「ハイウェイへの関門」。これは多作で有名なビッグ・ビル・ブルーンジーの作品だが、マディ・ウォーターズも「ロンドン・セッション」で自分の曲ということにして歌っている。著作権に関していい加減なのはZEPだけではないということか。フェード・インで始まる演奏は、延々とエンドレスな乗りで続く。デュアンの空間を切り裂くようなスライド・プレイが光る名演。


もう1曲はB・マイルズ作の「愛の経験」。これはクラプトンの敬愛するフレディ・キングの超熱演ヴァージョンが有名だが、クラプトンも思い切りディープに歌い込んでいる。


もちろん、オリジナル曲も、形式こそオーソドックスなブルースではないが、ブルース・スピリットに満ちあふれている。ロック・スタンダードとして永久に残る1枚と言えそうである。

(2000.11、原文ママです)

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