生きること。
うつりと
天野絢斗
流れる時間(とき)の中、たゆたう僕ら。
迷いと自信の狭間で、命を燃やす旅。
喜びも、悲しみも抱きしめて。
明日への道を、ひたすら信じ、ただ願い。孤独を背負い、ひたむきに泥臭く、この道を行く。
痛みに怯えて許しを請い、闇夜に慟哭する烏のように。
希望を祈って自身を鼓舞し、美しく天高く舞いあがる蝶のように。
今日も生きる。泡沫のいまを。
自分が選んだ、この一本道。
僕らの旅は終わらない。
今日もまた、夜と昼。2つの果てない世界を行き交って。
影に彷徨い、光に戸惑う。僕らの今日はどこにある。
留まることなく、いつも移ろう僕らの心。
川のように清らかに、静かにせせらぐ心地良く。
雨上がり、陽が降り注ぐ水溜まり。
澄み切った静寂に宿る、穢れと諦め。
そのどちらも僕で、僕たちだ。
影の深さを怖がって、光の優しさに躊躇いながら。
僕らは生きる。泡沫の日々を。
僕らは望む、明日の輝きを。
絶壁に咲く花の逞しさより。日影に咲き、命燃やし、潔く散る花を心から愛したい。
そんな、平凡な日常で、幸せを感じられているだけで。それだけで良い。
白鳥が水面(みなも)を駆ける。自ら生んだ風を切り、明日に羽ばたいてゆくように。
そんな賢さと。誰かの悲しみに頬を濡らして寄り添える、優しさを、そっと胸で抱きしめて。
今日も柔らかな陽射しに包まれながら、僕らは生きる。
僕らは歩む、明日への道を。
生きること。 うつりと @hottori
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます