3
なだめるように頭をポン、とされ、上目遣いで見上げれば、レイは一瞬かたまり、視線をそらした。
何故か動揺している淡い水色の瞳を、金の瞳が不思議げに見詰める。
「?」
「いや、式はクラス別みたいだな。行くか」
ゾロゾロと新入生の列が流れる方に、二人は合流する。
校舎と校舎の間を通り抜け、中庭のような庭園を歩いた先に、木に囲まれたグラウンドと、高い建物が見えてきた。
高さは三階建て。その中から、大勢の人の気配がする。
出入りのトンネルをくぐり抜けると、内側にぐるりと階段席があり、中央はむき出しの地面。
その広い場所に、新入生が四つの列を作っていた。
手を振ってレイは右側の列に紛れていく。
ユーキは一人で左側の列に並んだ。
頭1つ分、周りより身長が高いので、変に目立っている気がした。
周囲から興味深い視線を向けられるが、あえて無表情を保つ。
やがて新入生が全て並ぶと、グリーンのローブを着た男性や女性が、それぞれの列の前に並ぶ。
クラス担当かな、とユーキは彼らの顔を眺めた。
指導者らしき老人が台座の上に立ち、新入生達を見下ろし、挨拶や注意事項を述べ始める。
見慣れた風景に、肩透かしを食らった。
まるで──向こうの世界の学校と、同じである。
内容だけは、魔法の発展がどうの、武器の必要性がどうのと、全く違うが。
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