2
学校を囲む高い塀が見えてきた。
茶系の石組みで作られた建物郡は横に長く、敷地の中に緑の木々も植えられている。
「昨日、見て来た。家具も全部そろってたぞ」
「そか」
ユーキは今朝、この街に到着したので、まだ寮を確認してなかった。
一人部屋だとは聞いていたが。
「クラス分けも、今日張り出してあるらしいから……アレか」
門に入ってすぐ横に、掲示板がある。
道行く新入生がみなそこに群がり、自分の名前を探している。
(ユーキ・セリア、だよな……ユーキ……あった)
クラスは四つあるらしく、自分の名前を一番下のクラスに見つける。
「レ……レイは?」
「一番、上だな」
残念だが、クラスは分かれてしまったようだ。
ちょっと、いやかなり残念だったが仕方ないだろう。
がっかりと肩を落とすユーキに、レイはくっくっと笑いをかみ殺す。
「笑うな」
「いや、だって分かりやすすぎて……そんなに楽しみだったのか?」
ユーキは、むうと口をつぐむ。
普通なら、彼と同じ学校に通うなんて、絶対有り得なかったのだ。
ちょっと楽しみに思ったって、バチは当たるまい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます