第272話・栃木から東京出てきた女子中学生のおんぶ
炎天下の蒸し暑い人混みの中で70キロのボクをおんぶしたまま、前にも後ろにも進めないミニスカ女子ちゃんは、体力的にも精神的にも、けっこうキツくなってきたかもしれない。
「おんぶ重いんで、もう降りてもらってもいいですか?」
「ダメだよ、だいたいまだ5歩くらいしか歩いてないじゃん」
「ハイ、わかりました」
おんぶで乗ってしまえば、女の子っていうのは、こんなにも従順になってくれちゃう、ってとこが、ボクがこんなふうに、女の子におんぶしてもらいたいフェチな人生になってしまった大きな理由のひとつ。この連載ではもう何十回も呟いてることだが、女の子って、なんでこんなに優しいんだろ。でも、くどいと言われても、これは何度でも毎回でも言いたいんだよね、だって、そうなんだもん・・
進める歩調が遅いこともあり、ボクは女の子にいろいろと話しかけた。この、
おんぶの上と下での会話は、女の子が、男のボクをおんぶすること受け入れてくれた感あって、好きな空気感なのだ。
「どこから来たの?」「栃木県から」「東京へはよく来るの?」「たまにですよ」
「日帰り?」「うん日帰り」・・・
「栃木から出てきてくれた女の子におんぶしてもらえて嬉しいよ」
「おんぶ重いんで終わりにしたいです」
「上に乗ってるボクは楽ちん楽ちんだから終わりにしたくない。女の子のおんぶってさぁ、乗ってて気持ちいいんだよ」
「でももうキツいんです」
「高校生?」
「中3です」
「中学生のおんぶかぁ。これは貴重な。絶対に降りたくないから、頑張って、
この通りの出口までおんぶしてね」
「えっ、ハイ。でも、、暑いんです、汗もすごく出ちゃってて」
「中学生で若いんだから、いっぱい汗かいて身体鍛えて」
「はい、わかりました。でも・・あっ頑張ります」
「名前は?」「カナです」「ボクはクロ」「ハイ」
「カナ。ボクの身体がズリオチしてるから、ポンっと跳ね上げてくれないか」
「はい」「そうそう、なかなかうまいね、いい位置まで上がったよ」
この跳ね上げ動作で改めて再確認したが、おんぶしてるカナは本当に汗でびしょ
濡れになっていた。人混みの雑踏の中にいるから、かなり暑苦しい中で、70キロのボクをおんぶさせられている、これは女の子にとってはかなり苛酷かも。上に乗ってるボクは顔んとこは風に当たれて爽やかなんだけど、下で支えてる女の子はこりゃ
暑くて蒸してて息苦しいかもなぁ、と。
カナのおんぶに乗ってるボクの身体も、カナの身体と接してる部分は、汗でびしょ濡れになっていて、人混みの中に埋もれている小柄な女の子は、頭のてっぺんまで
全身がこの蒸し暑さの中なんだろうなと思うと、上に乗ってて風に当たれるボクの
位置に申し訳なくも感じる。男をおんぶして歩く重労働をしている中学生の女の子が蒸し暑いところにいて、上に乗って楽ちん楽ちんしてる男は風に当たれる。
人間の役目の持ち回りってこういうもんなのだろうか。で、ボクは、自分の快楽悦楽のために女の子が苦痛に耐えて頑張ってくれてるこの不平等な構図に性的に感じてしまう。
「カナ、もう一度、ボクの身体を跳ね上げておくれ。汗で滑るからズリオチしやすいんで、ズリオチしたらまた上げてね」
「はい、わかりました」
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