第263話・眠り落ちて重くなったボクをおんぶした女の子
ボクは目覚めると、見知らぬ光景の部屋のベッドの中にうずくまっていた。女の子のおんぶで眠ってしまっていたということか、なんと・・。
「ボク、眠りに落ちちゃってたの?」とミキに訊くと
「そうなのよ、コンビニの前を通ったあたりから、だらーっと力が抜けて」
「眠っちゃったことで、おんぶ重くならなかった?」
「いきなり凄くズシンっと重くなって大変だったのよ」
「ごめん。やっぱり眠ると重くなっちゃうんだね。でもこうして眠りについたボクを見捨てずに運んでくれて、ありがとうね。ホントに嬉しいよ、こんな優しい女の子に大切にしてもらえて」
「大切になんかするつもりなかったけど、捨てるわけにもいかないし、私、なんで、こんな・・・好きでもない男、恩があるわけでもない男を担いでんだろうって」
部屋に運び込んでくれただけでも大感謝の大感激なのに、ベッドの上に寝かしてくれてることに、ボクとしてはもう、この上ないキュンで幸せすぎる。道端で出会って、いきなり「おんぶして」と飛び乗ってきたボクのような自分勝手な見知らぬ
ダサ男に、女の子って、どうしてこんなに優しくしてくれるんだろう。
女の子の肌の温もり大好きなボクとしては、女の子のベッドの中に入れてもらえることには、そのベッドの主である女の子自身に抱いてもらえてる感の幸せなのだ。
女の子のベッドの中で女の子に抱きしめてもらえるって、2倍の幸せ感、その女の子にボクが受け入れてもらえたぁぁー。しかも、女の子の身体に感じて精液が出ちゃってるぬるぬるした汚い男を自分のベッドに寝かしてくれる女の子の心理って。。
女の子としては、自分の身体の女子力で出ちゃったぬるぬるには愛着を感じるの
だろうか。だとしたら、ボクをおんぶしてくれることで女の子が流してる汗をボクが愛おしいとおもうのと似た感覚なのかも。なので、訊いてみた。
「出ちゃって、あそこがぬるぬるになってるボク、キミのベツドで寝てていいの?」
「綺麗にしたから大丈夫よ」
「えっ??? 綺麗にしたって???」
「うん」と優しい笑顔でミキ。
「ミキが、おクチで綺麗にしてくれたの??」
「うん、いっぱい出てたからけっこう大変だったのよ」
「えーっ、ありがとう。ボクずーっと眠ってた?」
「うん、きもちよさそうにくーくー寝てたよ」
「なんという素敵な女の子なの、ミキは。好きでもないこんななダサ男にここまで
優しくしてくれるって。。ミキはボクのこと好きじゃないよね?」
「好きじゃないよ、勘違いしないでね」
「うん、そこは勘違いなんかしない。っていうか、好きじゃないのにここまで優しく大切にしてもらえてることが嬉しいの。好きな人にだから、してあげる、っていうのより、好きじゃないけどしてあげる。。のほうが、女性としてステキ」
「私って、こんなふうに人に尽くすタイプではなかったのに、なんでこんなこと
してんだろ」
「そうだよね。私のほうがおんぶしてもらいたいよ、って何度も言ってたもんね。どちらかというとワガママ側の女の子が、ボクのために尽くしてくれてるの、すごく幸せ、男にとってロマンだよ、夢の現実化だよー、ありがとう。なんか喉かわいちゃったから、冷たい飲み物なんか持ってきて、飲むヨーグルトとかあると嬉しいなぁ」
「そこまで要求するかぁぁ?」
「うん」
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