第261話・逆転現象萌えいっぱいの女の子のおんぶ

 春の強い日差しの下、汗びしょ濡れで歩いてくれてる女の子ミキのおんぶ上で、

ボクはいろいろな思いにふけっていた中、今のこのおんぶに格別の達成感的幸せっぽいものを感じるのは、逆転現象萌えというやつだろうか、と。

 まず、華奢で非力な女の子が、重くて頑丈な男をおんぶするってことが、逆転現象だ。この女の子におんぶしてもらうという逆転現象には、上に乗ってる男としては、楽ちんや気持ちいい楽しいに加えて、罪悪感萌え、優越感萌えなどが付加されるのがメリット。女の子が男の上に乗るんでは、単に楽ちんで楽しいはあっても、性的萌えはそれほどではないだろう。ここが、逆転現象のいいとこといえる。

 そして、今回のミキの場合、女の子の服装や靴などのファッションが、70キロの男を担いで歩くファッションとは真逆の、かわいいひらひら服に上げ底靴、ミニスカートと、どちらかというと、荷物なんか持たせちゃいけない系の女の子、そんな女の子に70キロを背負わせて歩かせちゃう逆転現象萌え。作業服や体操着でないとこが、乗っちゃいけないかわいい女の子に乗っちゃってるんだぞ萌え。

 で、女の子が「私がおんぶしてもらいたいよー」と何度も言う側の性格なことも、逆転現象萌えだ。おんぶしてもらって楽ちん楽ちんしたいという華奢な女の子の細腕に男の太い足を持たせて、重い自分をおんぶさせて、ボクが女の子の上で「楽ちん楽ちん」って言う逆転現象萌え。

 さらに、ベンチで休んだあとの二度目のおんぶ。ふつうに考えれば、ここまでボクをおんぶしてきて疲れてる女の子をおんぶしてあげるのだろうけど、疲労困憊で汗びっしょりの女の子が、交代せず引き続きボクを、ここまでもおんぶしてもらって楽ちん楽ちんしてきてるボクをまたおんぶしてくれる逆転現象萌え。二度連続のおんぶには、疲れてる女子に疲れてない自分がおんぶしてもらっちゃう逆転現象萌え。

 こんなにたくさんの逆転現象萌え要素が詰まってるおんぶの悦楽感はもう極上すぎて、ミキの背中の上で性的にも感じてしまい、だけど、おんぶ上で射精してしまうのは避けたいという心。出ちゃうことのないよう我慢するのに懸命になればなるほど、上げ底靴で歩きにくそうにゆっくりと歩く不器用な揺れと振動がたまらなく、ボクの股間をいい感じで刺激してくる。

 出ちゃわないように我慢し耐えるには、ミキの身体とボクの身体の密着面積を小さくしなければならず、でもそれだと、せっかくの、女の子おんぶを堪能できない。ここまで逆転現象萌え要素の揃った今のこのおんぶを120%堪能できないのは、もったいなさすぎるし、頑張ってくれてる女の子に申し訳ない。

 という理由づけも成立したので、ボクはもう、思いっきりミキを抱え込むように抱きしめて身体を強く密着させて、女の子の肌感覚を味わうことにした。両手両足で

ギューッとミキにしがみつくように抱き着くと

「頭握られると苦しいですー、足の力入れないでくださいな、お腹痛くなるんで」と。おんぶしてるだけでも大変な思いしてる女の子の上で、男が自分が気持ちよくなるためにさらに女の子が苦しい痛いっていう乗り方をしてるって、改めてボクは、

自分ってひどい男だなと認識してるものの、欲望には勝てなくなっていってしまっているそんな自分が怖い。

「気持ちいい大事な瞬間なんで、ちょっとだけ我慢してて」

「なんで、あなたの気持ちいい瞬間のために、私がこんな苦しみに耐えて頑張らなきゃなんないのよー」

「ごめんなさい、もうちょっとだけでいんで耐えて、このまま歩いて、、ああっこの一歩一歩の揺れと振動がたまらない、ボクは今かわいい女の子のおんぶに乗ってるんだあー、この幸せを手放したくない。。」

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