第250話・初めて男を肩車した女の子の見た新世界
レンタルルームに入ってまだ30分くらいしかたってないのに、お馬さんをしてくれた女の子エミリはバテバテで、ボクは前話のごとく女の子の上で極楽浄土してしまって、へろへろ。しかし、レンタルルームの借り時間はまだ1時間半も残ってる。なにか他の遊びをしようか、と。
お姫様衣装を汗でびしょ濡れにしたままのエミリが
「あのー、私も乗る側やりたいんですけど・・」と。
「今のエミリは、せっかく、精神的に、お馬さんとして奉仕するマインドになってるから、今日は騎手にはならないで、ずーっと、乗られる側がいい」
「えっ、そんな・・。わたし乗りたい側の性格なんで、ウマばかりで終わるなんて、体力面よりも精神的にツラいです」
「ツラいってのは、屈辱感?」
「そうですよ、騎手側の女の子にとって、ウマばかりやらされるなんて・・」
「騎手だからこその屈辱感かもね。じゃあ、お馬さんはやめて、他のことしよう」
お馬さんとして乗られることにエミリが屈辱感なのは、自分が乘る側の快感を体感してしまってるから、というのもあるが、乗られ方の態勢として、四つん這いのお馬さんには自由も主導権もまったくないから、ってのもある。
それに比べると、肩車なんかは、主導権は乗せてる側にあり、上に乗ってる者が、あまりにムカつくことしたりしたら、落とすこともできるし、もうひとつは、肩車してる女の子は両手フリーなので自由に使える。この「両手自由」は、おんぶにも騎馬戦ウマにもない。
というわけで、壁際にあったテーブルの前にエミリを来させ、ボクはテーブルの上に立って、ボクの股の間に、エミリの栗色セミロングヘアーの頭を突っ込まさせる。自分の股の間に、かわいい女の子の頭がニョキッと出てくる子の光景は、いつもながらの萌え萌えな眺めだ。
肩車を初トライする女の子には、男の人を肩車なんて女の私ができるのだろうか、との不安があるので、この初乗りのところでは、徐々にゆっくりジワッと、女の子の上に移す体重を増やしてゆくことが肝要。大丈夫だな、と確認再確認をしてから、両足をテーブルから浮かす。
エミリは小柄なので、このスタートアップのときに、身を屈ませないで済むところが、小さい女の子が意外にも肩車向きなポイントなのだ。こうして、ボクは、無事に、小柄な騎手女子の肩車に乗ることに成功。
「エミリ、歩いてみて・・」
「バランスが・・、落としそうで怖い、向き変えられるかしら・・」
「ボクは、エミリに命預けてるんだよ、落とさないでね」
「落ちないでよ。落ちそうになったら私の頭に掴まっていいから」
この、ふらふらと揺れてる怖い感じこそが、華奢な女の子の肩車に乗ってるんだという実感でもあり、うまく歩けない女の子の姿こそが、華奢で非力な女の子が、死力を尽くしてボクの全体重を担いでくれている証拠。そんな思いに耽りながら、エミリの頭に手を乗せてみると、頭の体温がすごく高くなってる。おでこに触ってみると、まさに大汗だ。
「両手を上げてみて」と言い、ボクは、両手でエミリの手のひらを握る。エミリの両手のひらは、汗でグッショリだった。
「あーっ、小さい手のひらにこんなに汗かいてて、かわいい」
「えーっ、汗かわいいの?」
「うん、ボクのためにかいてくれた汗だもん」
そんな会話を上と下でしつつも、エミリの体力限界はいきなり訪れ、
「あっくらくらしてきた」という言葉とともに、降ろされてしまった。
「どうエミリ? 屈辱感なんか無いんでは?」
「うん不思議よねーー。屈辱感どころか、達成感みたいのがあるー」
肩車したことによって、それまで、人に乗ってばかりだった小柄な女の子が、人を乗せる達成感という、新しい幸せの世界を見つけたのだろうか。
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