第196話・両手に買い物荷物の女性のおんぶに乗った

 まだ太陽もあるていど高い、夏も後半な夕方始まりの、そう午後4~5時あたりの、商店街から住宅地区へ向かう何の変哲もない、ふつうにある風景。このあたりは、スーパー等で買い物をした女性の歩く姿の中に、たまに、色っぽい姿を見つけちゃったりできる。

 買い物した袋を3つ以上持って歩く女性の後ろ姿は色っぽいことが多いのは、いくつかの荷物を持って重心バランスをとることによって、柔らかくて華奢な女性のボディーラインか歪んで描くその曲線。

 今回ボクの目に留まったオレンジ色のワンピースの女性の曲線は、そのヒップラインの左右アンバランスな出方がエロかった。まるで「乗って乗って」と、おんぶフェチのボクを誘っているヒップラインの揺れ。女性の着ているワンピースが、パリッとしたお出かけ服ではなく、自宅からちょっと買い物に出てきたアットホーム感なところが、ボクをそのまま自宅へ持ち帰ってくれるような、誘って受け入れてくれる女性感をば。

「あのー、すみません」

「はい、なんですか?」

「あなたの歩く後姿に、優しそうな女性ってかんじの色気を感じてしまって・・・、こんなことで超えかけてしまって、すみません」

「ナンパですか? こんな買い物荷物かかえた女の後ろ姿に」

「そうなんです。そうなんですよ、わかってくれて嬉しい。荷物をたくさん抱えて歩く女性の身体のラインは色っぽいんです」

「そうなんですか。おもしろい視点で、あなた、女性の身体を見ますね」

「貴女のいまのそのボディーラインの色気にビビッと感じてしまって・・。こんなボディーラインの女性に、おんぶして歩いてもらいたいって。買い物荷物で大変なとこだとはおもうんですが、ついでにもうひとつの荷物を。。」

「私にもうひとつ荷物を持てっていうの?」

「はい、、ボクをおんぶしてください」

「えっ、あなたをおんぶ???・・なに言ってんのよ、このうえ、男の人をおんぶなんてムリに決まってるでしょ」

「ムリじゃないですよ。じゃあ、乗りますよ」と言うと同時に、ボクは、女性の両肩に両手を乗せて、女性の背中に飛び乗る。女性はもともと荷物でやや前傾姿勢、

ヒップラインがいろっぽく出っ張っていたので、そのヒップラインの上にフィットするように、ボクはうまく乗った。

 両足で彼女の腰クビレを挟む態勢もうまくいった。女性は、両手に買い物袋を提げていたが、ボクは要求した。

「両手でちゃんとボクの両足を持ってよ」

彼女は、無言のまま、反射的にボクの太い足を、女の子の細腕でホールドしてくれた。この「反射的に受け入れてしまう本能的な優しさ」。女性の持つこの母性が、女性に甘えたいフェチのボクには、たまらない。女の子の身体に乗せてもらえる肉感的な幸せだけでなく、この「優しさ」を体感てきる幸せ。

 恋愛相手でもなく主従関係でもないアカの他人の男のボクをおんぶしてくれるって、好きな人だからおんぶしてあげる、よりも、素敵なことと感じてしまう。

 買い物荷物を両手に持った色っぽいボディーラインの女性が、さらにもうひとつの大きなお荷物=70キロのボクをおんぶして歩いてくれることになった。なんという幸せだろう。

 女性の身体の肌感触は、ボクの体重を吸収して乗り心地のよいクッションという感じの柔らかさ。今までボクは若くてぴちぴちした女の子をメインで乗ってきているが、30才以上とおもわれる熟した柔らかみで包み込んでくれる女性の身体も、いいなぁ、と。もちろんボクは、今おんぶしてくれてる彼女の年令なんか知らない。でもこの柔らかみ・・・若いぴちぴちギャルとは別種の良さが・・。

 荷物とおんぶで女性の背中には、すぐにジワッと汗がにじみ、オレンジのワンピースのオレンジ色が濡れで濃くなって女性の肌に張り付いてるのが、ボクの快楽のために・・、と、たまらない。

「あのー、重いんですけど、なんで、あなた、私の上に乗ってんですか?」

「重いですか? ごめんなさい。ボク、魅力ある女の子に乗ると気持ちよくなって幸せになっちやうんですよ。だから、重いのはわかるけど、しばらく乗っていたい」

「買い物荷物だけでも大変なのに、おんぶさせられてんのよ」

「うん。初めて会った女性が、ボクの快楽のためにここまでしてくれてる、っていうのが、萌えちゃって、感じちゃって・・・」

「もう限界ですよ、降りてください」

「あと1~2分でいいから、おんぶのままこのまま歩いてほしい」

「大人の男をおんぶして1分歩くって、女性にとっては、大変なことなんですよ。あなたは呑気に上に乗ってるから、わかんないんでしょ」

「呑気に上に乗ってるからわかんない、っていうのは確かだけど・・・、1分後にはちゃんと降りるから、1分歩いて」

「うん。でもなんで私こんなことしてあげてるんだろ」

「それは、キミがステキな女性だからだよ」

1分後にはちゃんと降りてあげ、彼女の買い物荷物は、ボクが家まで運んであげることにした。こうして、優しい女性の家に上がり込むことに成功。

しかし・・「ここまでで帰ってください」と。

玄関先でバイバイということになってしまった。世の中うまくいくことばかりではない。しかも1時間後には旦那さんが帰ってくると、とほほ・・




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