第188話・けだるい疲労感なので女の子におんぶしてもらった

 海の中に立つ美ボディー女子アサコの肩車から、そのままスルスルっと降りたボクは、当然の流れとして、アサコにおんぶしてもらう体勢で、彼女の背中に抱き着いた。浮力がかかってて、かなり軽くなってるので、アサコはすぐには気づかなかったけど、気づくと「また私の上に乗ってるぅぅ」と。

 海の中なので、アサコにとって、それほど重みは感じなかったようで、それ以上に反論はしてこなかったので、ボクはそのまま、アサコのおんぶに乗り続けていた。重さとしては、それほどアサコへの負担はかけていないが、ときどきくるちょっと大き目の波のときに、アサコは顔に波をかぶってしまってても、おんぶ上のボクの顔には水しぶきもかからず能天気ってときに、なかなかの殿様気分で悦。

 そんな感じでしばらく、背の立つギリギリの深さのところで水遊びを楽しんでから、そろそろまた浜辺へ戻ろうということになった。

「クロさん、帰りはもうおんぶヤダよ。だいたい、ずーっと私の上に乗りっぱなしじゃんさー」

「アサコのおんぶ、すごく乗り心地いいんだもん。それは、、アサコのスタイル抜群な美ボディーが、最高のフィット感なんだよ、ボクの身体に。まるで、この美ボディーは、ボクのワガママな欲望を満たすために創造されたような、ボクのための美ボディー女子アサコ様・・」

「いくらそんなふうに言われても、おんぶさせられてる私は、ただ、重くて疲れるだけなんだから、もう降りてよ」

「ヤダ。アサコにおんぶという、ボクの幸せを奪わないで」

「私の幸せはどうなるのよ?」

「アサコの幸せは、男を萌えさせる美ボディー女子である幸せ」

「浅くなってきたので、重いよー」

「海の中で遊んだあとって、なんか身体だるいんだよね。そんなけだるさ漂うこの帰りの道のりを、女の子のおんぶで帰れる・・最高。けだるくて、歩くのイヤだから、最後まで、おんぶでいってね」

「身体がだるいのは、私も同じなんだから・・」

「私もだるいのに、と言いながらも、ボクをおんぶして歩いてくれるアサコ大好き」

 海水浴場は見た目にはあまり斜度を感じないのだが、現実には、砂浜は延々と登り坂なので、浅いところにきてからのアサコの歩みはかなり疲労感でスローになり、何度も何度も立ち止まっては

「重いよー、もう降りてよー」とは言うものの、それに対して

「やだやだ、降ろさないでー、アサコのおんぶ気持ちいい」と返すと、歩き始めてくれるところが、女の子の素敵な母性本能か。

 海の中でチャプチャプ遊んだだけなのに、ボクには、けだるい疲労感がまとわりついていて、アサコのおんぶで浜まで帰れる今のこの心地はうっとり助かる。とはいえ、アサコも当然ながら同様に疲労感なはずなのに、ボクをおんぶして歩いてくれてる。いや、ずーっと、おんぶに肩車をさせられているアサコの疲労感は、ボクなんかのそれよりずっとけだるいはずだ。

 疲れてる女の子が、自分も疲れているにもかかわらず、疲れてるボクを楽ちん楽ちんさせるために、おんぶしてくれてる。これって、女の子に甘えたいフェチのボクとしては、夢物語的なロマンが現実になっている。アサコの背中が最高に頼もしく愛おしい・・・一生このままおんぶされていたい。

 そんな夢心地で、アサコのへろへろおんふに揺られていると、ボクは性的に興奮してきてしまい、股間のアレが大きくなってしまった。そんなタイミングで、アサコは

「もう歩けない、おんぶここで終わり」と砂浜に降ろされてしまった。

 突然降ろされると、砂浜は熱くて、ボクは足の裏が「あちちちちっ」になってしまいアサコに「熱いよー足の裏あちちちちっ。だから、おんぶしてよー」

「私だって熱いのに、裸足で歩いたのよ、あなたをおんぶして・・」

「そういわれれば、そうなんだよね、でもやっぱり、おんぶして」

「なんでそういうことになるのよ」

「だって、足の裏、あちちちちっなんだもん、おんぶ、アサコ、お願い・・・」

「あたしだって熱いのよ」

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