第187話・美ボディー女子の肩車は雄大なロマン
美ボディー女子のおんぶに乗って、波打ち際の浅瀬から、じょじょに深くなる沖合に進んでゆくこの体感と眺めは、女の子におんぶしてもらいたいフェチのボクにとっては、水上アトラクション的な魅力も重なる。
まず、女の子のおんぶ上から眺める海の景色には雄大なロマンを感じる。目の前には、おんぶしてくれてるる女の子の頭がああり、その髪にボクは手を乗せていて、その向こうに海が広がる。
沖合から打ち寄せてくる波。その波が、ボクをおんぶしてくれてる女の子に当たって、水しぶきを上げる。ボクはおんぶ上の高い位置にいるから、水しぶきはほとんどかからないが、女の子は、たまに顔に水しぶきがかかって「うわっ」とか言ってる。
女の子が太もものあたりまでの深さまで歩いたところくらいから、おんぶ上のボクも、両足先から海水に浸かり始める。でも、海水の浮力でボクの体重が軽くなったと、アサコが感じるには、もっと沖合まで行かないとね。
アサコの腰上くらいまでの深さになったところで、
「ここくらいまでくると、浮力で軽くなった?」と訊くと
「うん、だんだん軽くなってきた、やっと」と。
ボクは、水深が深くなるのに合わせて、おんぶでの乗り位置をちょっとずつ上方修正していってみた。乗り位置を上方修正することで、ボクの身体は水上に出る部分が多くなるわけで、つまり浮力のかからない部分が多くなり、女の子にとっては、水深が深くなってるわりに、おんぶはあまり軽くならないかもしれない。でも、重くなるわけではないから、女の子は、そのことに気づかない。
そんなこんなで、アサコが首のあたりまで浸かったところに立ち止まったとき、ボクは、まんまと、アサコの肩の上に、肩車の態勢で跨って座ってしまうことに成功した。アサコは、いつの間に、おんぶから肩車に変わってしまったのか気づいてないどころか、今自分が肩車させられてることにも、すぐには気づかなくて「なんで、ここにクロさんの足が乗ってるのよー」って感じだった。
肩車に乗ってわかったのだが、アサコは、体幹も骨格もなかなかしっかりしている。美ボディー女子なだけではなく、スポーツ女子としても、なかなかスペック高く、砂浜からここまで、おんぶに肩車と連続してボクを運んでくれるって、これって、かなり凄い体力ではないだろうか、砂の上を裸足で、なんて、踏ん張りがきかず大変だったんじゃないだろうか。海の中での水の抵抗に打ち勝つ歩きも大変。
海の中で女の子の肩車に乗せてもらえてる優越感って、こんなにも雄大なロマンだったとは、この初体験ではじめて知った。知ったというか体感した。ずーっとこのまま海の中に立つアサコの肩車に座っていたい。
「アサコ~。すごく気持ちいい、いい眺めだし。景色が変わるのを感じてみたいから、向きを変えたりして、くるくると回ってみてよ」
「下で支えてるこっちは、これ大変なんだからね。浮力がかかってないから、クロさんの全体重がズシンと重いのに、海水の揺れがあるから、バランスとって立ってるのも大変なんだから」と言いながらも、アサコは、向きを180度変えて、ボクに、浜側の景色を見えるようにしてくれた。この、お願いされちゃうと、どんなに大変なことでも献身的に尽くしてくれちゃう、この、女の子が本能的に持つ優しさ、美ボディー女子アサコにもそれがあったことが嬉しくうっとり。
そんなふうに、うっとりしていると「もう限界、降りて」と現実の声。
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