第185話・海水浴場で美ボディー女性のおんぶに乗った

 スタイル抜群で身長162ほどのアサコは、特に腰のクビレの曲線が魅力的で、このクビレに両足を乗せておんぶしてもらえたら、極上だろうな、とドキドキさせるものがある。しかし、アサコは、まだボクを1度もおんぶしてくれたことがない。デートはしてくれるのだが、おんぶをしてくれない。

 そんなアサコと、夏はじめのある晴れた日に、神奈川の海水浴へ来ていた。早めの夏の晴れ日というタイミングだが、砂浜は、ほどよく空いていた。で、2人で海に入ることにし、足が届くギリギリのところでチャプチャプしたあと、砂浜にもどる方向へと歩き始める。

 ボクは、水の中で、アサコの背中に抱き着き「おんぶして」と。水中なので、浮力でボクの重さは、アサコには、ほとんど伝わってない状態なので、おんぶしてもらってる体勢のまま、とはいいつつボクの足を手で持ってはくれずのままだが、アサコは

海の中をぐんぐんと砂浜に向かって歩いてくれている。

 水深が浅くなるにしたがって、ボクの重量が、じょじょにアサコに重くのしかかってゆくのがなんと、これまたイイ感じのおんぶだ。これまで数年間、ずーっと、おんぶを拒否し続けててきてる美ボディー・アサコが、気づいた時には、海水の浮力もなくなり、ボクの全体重がアサコのおんぶに乗ってる、という作戦。

 で、状況はその作戦通りになっていった。

「重くなってきたよー、クロさん。。。」

「浅くなってきたから、重くなるんだよ」

「このままおんぶさせる気?」

「うん、アサコのおんぶに乗っていきたい」

「こんな重いのヤダよ。私のほうがおんぶしてもらいたいよ」

 ボクは、両足をナイスなクビレのアサコの腰のクビレに乗せて、両足でギュッと挟むように力を入れると、まだ海水の浮力も働いていたこともあって、ボクの身体は、

高い位置=つまり。乗り心地のよい安定した位置に、落ち着いた。

「クビレをそんなに強く、足で挟まないでよ。腰骨が痛いよ」

「だったら、ボクの足をアサコ、ちゃんと両手で持ってよ」

「うん」と言いつつ、両手でボクの両足をホールドしてくれた。

 とはいえ、アサコが陸地に向かって歩いてゆくに従い海水の浮力はなくなり、ボクの全体重がそのまま、アサコの上に乗ったところで「おんぶなんてヤダよー」と。

「アサコのおんぶ乗り心地最高。お願いだから、パラソルのところまで、おんぶしてってぇ。そのほうがボク、楽ちんだし」

「乗り心地最高ってなによー、楽ちんとかもムカつくぅ」

「だって、こんな素敵な女の子におんぶしてもらえてるなんて、最高すぎて」

「おんぶさせられてる私の身にもなってよ。海の中で遊んだあと、ただでさえ、身体だるいんだから、こんな重いの背負わされて歩きたくないよー」

「そんなこと言わないで、おんぶして、おねがい。アサコの美ボディーにおんぶしてもらうこと、ずっと昔からの夢だったんだから」

 なんだかんだと文句いいながらも、アサコはボクをおんぶしたまま、砂浜に歩きあがってくれた。水着の女の子に、海パンでおんぶしてもらえてることの、この贅沢な、肌と肌の密着感は、海の中でのときより、陸に上がってからのほうが、美ボディー女子に乗ってるんだという実感。

 砂浜に上がってから、我々のパラソルまでは、砂浜は意外と斜度のある登りで、

アサコは大変そうに立ち止まったりだったが、能天気に上に乗ってるボクは、アサコのツラそうなため息に萌えた。

「クロさん、やっぱりパラソルまではムリ。降りて」

「ヤダよ。こんな最高のおんぶから下りたくない。っていうか、砂の上歩くの、足の裏が熱そうだから、歩きたくないよ」

「なにいってんのよ。私はその熱い砂の上を裸足で歩いてるのよ、女の子の私が・」

「アサコは海の中から歩いてきてるから、足濡れてるんで熱い砂の上、大丈夫なんだよ。ボクは、おんぶしてもらってるから、足の裏、乾いてるんで、こんな熱い砂の上にいきなり降りたら、あちちちちち、になっちゃう。だからボクのこと、砂の上に降ろさないで、パラソルの日陰までおんぶしてくれないと」

「なんて、ワガママな理由を。。女の子に熱い砂の上裸足で歩かせて・・」

「ごめんね、っていうか、ありがとう・・」

 アサコは、何度か立ち止まりながらも、登り傾斜の砂浜を歩いて、パラソルの日陰まで、70キロのボクを運んでくれた。

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