第181話・おんぶしてくれた女性の心の融和について

 さすがに、この流れで、二度目の「おクチで」は、やってもらえなかったが、ボクたち2人の人間関係の距離感は一気に縮まったような気がした。ボクのがわからの認識からすると、女性が受け入れてくれることと断ってくることの境界線を確認できるとこまで、自分のワガママを放出したことになり、それは、目の前の女性にホンネをぶつけたということ。そして、女性のがわも「断った」ことは「ホンネを吐けた」であり、ボクたち2人は、ホンネを言い合える同士になれてる。

「イヤなのに、ボクの求めること、受け入れてくれてたんですよね」

「あたりまえですよ。あんなこと」

「素敵な女の人って、イヤなのにしてくれる魅力ありますよね。イヤなのにしてくれる女性の持つ色気って魅力的・・ボクそれ好きなんです」

「イヤがる女性に、イヤがることをしたい、という男性心理ですか?」

「似てるんですけど、ちょっと違うんです。女性のイヤがることをボクがするのではなく、女性にしてもらいたい、なんです。おんぶも、おクチでも、女性のがわがしてくれなければ成立しない。つまり、イヤだけどしてくれる、の心の部分が大事んですよ。そこにセクシーさを感じてしまい・・・、すみません」

 おんぶは、絶対拒絶の女性にムリヤリ飛び乗ったとしても、女性のがわは、しゃがみ込んでしまうとか、後ろ側に倒れ込んでしまうなどの対応で拒否できる。つまり、飛び乗られた女の子が、おんぶの体勢を維持してくれるということは、何パーセントかは「してあげてもいいっかぁ」という気持ちがあるってこと。特に、女性が両手でボクの両足を持ってくれたときに、それを感じる。

 おクチでも、おんぶと同様、女性のがわに絶対拒絶のホンネがあるとしたら、こちらとしては、怖くて、イヤがる女の子のクチになんか、怖くてアレを入れるなんてできない、嚙み切られちゃう。つまり、おクチの中で気持ちよくなって口内発射できることの基盤としては、女の子の「してあげてもいいっかぁ」な心の融和が必須。

 これら、おんぶと、おクチでの、共通した「心の部分」が、女の子に甘えたい男子のボクにとっては大事で。そんなこんなないろいろ語ったところで、女性の持つ本能的な優しさともいえる、その優しさの扉をムリヤリこじ開けてるようで、これってやっぱり強制的なんでしょうか。

「ほとんど強制的ですよ」

「ごめんなさい。でも、優しさの扉をムリヤリこじ開けて、という表現は、少しは当たってますか? それとも全然大きな勘違い?」

「少しは当たってるかもと思えてしまえるところが、私こんなことしてて、バカみたい、と感じてしまう・・・」

「バカみたいじゃないですよ。貴女の優しさが、一人の男を極上の幸せにしてるんですから。あんなモノをおクチに入れられて、噛んだりして拒絶するのではなく、優しく舐めてくれた、包み込んでくれた、その貴女の対応をかんじれた瞬間、ここがボクにとっては、おクチでの幸せの起点ともいえ」

「イヤでも、嚙み切るなんて、しちゃいけないって、感じてしまうのは・・」

「それが、女性の持つやさしさなんですね。その優しさを利用してるんですかね、ボクはやっぱり犯罪者ですかね。申し訳ないです。ボクはどのようにして、貴女に償ったらいいんでしょうか?」

「まず、あなたは、いつまで、私の上に座ってるつもりなんですか? 重いんですから、どいてください」

「どきたくないぃぃ。だって、座り心地最高なんだもん。柔らくて暖かくて・・、女の子の優しさに包まれている感触。女の子はブランコの堅くて冷たい板の上に座ってるのに、ボクには柔らかみと暖かみを・、この構図に萌えちゃうの」

「どきたくない、じゃないですよ、どいてください」

「わかりました。おクチで出させてもらったあとで足腰ふらふらだから、もうすこし抱っこされていたいど、どきますね。ここまでボクのワガママを受け入れてくれて、ホントにありがとね。で、ゴメンなさい、こんなとこ・・違うバス停でつき合わせちゃって」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る