第178話・隣の席の清楚な女性に抱っこしてもらった

 発車間際の都バスに乗り込むと、最後列から二番目の2人シートの1つが空いてた。しかもそこには清楚な感じの茶髪ショートヘアの女性が座っている。ボクは、ラッキーと思い迷わずそこに座ったため、女性の顔は確認できなかったのだが、そのほうが妄想タイムに突入できるというもの。

 バスの2人座席で隣に座る女性の顔ってのは、意外にもなかなか見れないものである。距離が近すぎるため、女性の顔を見るために自分の顔を横向けることを躊躇してしまう。女性から、この男、私の顔見て確認してるな、と思われたくない、てな。

 横目でチラ見すると、前髪が見える。スマホを操作する手が見える。下へ視線をやると、ベージュのスカートが見えて、スラリとした脚線美の下に、ベージュ色のハイヒール。ページュで統一のカラーコーディネイトが高級感を。そんなことを妄想しながらも、女性に話しかけるキッカケを掴めないまま時間がすぎてしまったのは、意識しすぎちゃってってとこだろうか。

 そんなこんなで悶々としているうちにバス車内は混雑してきて立ち客もいっぱいに。ボクたちの目の前で立つ子連れママさんに席を譲るのが、男のすべきことだろうか。しかし、せっかくの清楚女性の隣を明け渡したくない。ここで、ナイスアイデアを思いついた。

 ボクは立ち上がって、子連れママさんに席を譲ると、そのまま隣のベージュ女性の太ももの上に座り「キミの上に座らせて」と事後承諾を求める。女性の顔を見るワンチャンス・・丸顔で小顔、目は大きくはないがくっきりなかわいい。そんなチラ見をしながらボクに乗っかられちゃったそのページュ女性は

「えっ、ちょっと・・いきなりそんな・・困ります・・」とは言うものの、特に抵抗したりするわけでもなく、ボクの乗っかりを受け止めてくれた。子連れママさんは隣に座って「ありがとうございます」と言いながら子供を抱っこしていたこともあって、ページュ女性は、事を荒立てないほうがいいっか、と判断してのかも。子連れママさんは、ボクたちのことを友だちかカップルと思ってる節も。。ならば大成功。

 座ってる女性の太ももの上に乗せてもらえるのって、なんでこんなに座り心地良くて気持ちいい極楽気分になれるんだろう。女性の柔らかい身体に包み込まれてるような愛と優しさを感じこの満員バスの中で、自分だけが、こんな高級待遇で、ボクの

お尻を女の子の体温で暖めてもらえてる。

 走るバスの揺れのたびに、ボクのお尻が女性の柔らかい身体に食い込む感触が、

たまらなく「高級な女性の優しさに受け留めてもらえている」感。背筋を伸ばして

よっかかると、ボクの背中に女性の胸があたるのも最高で、ボクは、女性の胸を味わうように女性に寄りかかると、背中の上のほうに、女性の唇の当たる暖かみを感じたことで、ドキドキッキュンと、いろいろ妄想してしまった。

 女の子の太ももの上に座らせてもらう気持ちよさは、おんぶとはまた別の幸福感に満たされる。おんぶよりも魅力的なとこのひとつは、長い時間女の子の上に乗っていられること。今回のケースてももう15分は女の子の上に乗せてもらってることになる。しかもバスが、そんなボクたちをゆさゆさと揺らしてくれる、そのたびにボクの身体は彼女の優しさに食い込み強く包まれる。

 ボクはそんな快楽に感じてしまったこともあり、彼女の両手を掴んで、ボクのお腹の上へもってきて

「ギューッと強く抱き締めてほしい」とお願いすると、彼女は、ちょっとだけ手に力を入れてくれたものの

「あのー、いつまで私の上に乗ってるんでしょうか? 重くて苦しいんですけど・・」と、上品な声がボクの耳元で。

「重いですか ? すみません。ボクは、こんな素敵な女性の上に座らせてもらえて、すごく気持ちいいんです。この柔らかさと暖かさ、女の人の身体って、最高の高級シートですよね」

「私は苦しいのに、乗ってる貴方は気持ちいいって・・」

「ゴメンなさい。ボクの重みから解放します。次の停留所で一緒に降りましょう」

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