第113話・おんぶしてくれた女の子が背中で感じたこと

  2度もボクを騎馬戦ウマに乗せてくれた女子高生たちにかこまれて、お互いに、乗る側トーク、乗せてるトーク、それを見ている第3者目線トークなどで、ワイワイガヤガヤと始まった。女の子8人の名前は一気に覚えれそうになかったので訊かなかったが、自分のことは名乗った。

「女の子におんぶしてもらいたい男子のクロといいます」

 最初にボクを乗せてくれた騎馬の先頭をしていた明るくよく喋る女の子が

「クロさん、女子の上に乗ってるとき、ホントにすごく嬉しそうなニコニコ笑顔で、あんな楽しそうな表情されちゃうと、頑張っちゃおうかなって思えちゃう」

女の子が担ぎ上げてくれてるっていうのがいいんですよね? そうだね、男の上に乗っても、なにも感じないなあ。

 おんぶと騎馬戦スタイルは、どっちがどうとか違うの?  おんぶの方が、女の子の身体との密着面積が広いので、女の子に乗せてもらってる、というシアワセ感も、女の子の身体を感じる気持ちよさは強いんだけど、騎馬戦スタイルの方は、乗り心地安定感はすごくよくて、乗ってるほうとしては、リラックスして座ってられるから楽だった。あと3人の女の子が、ボクを担ぎ上げてくれてるっていうのは、男としては、すごいお得感というか特別な扱いを受けてるというか、で、高い目線から見下ろす優越感も。。

 そういう優越感とかお得感って、肉体的気持ちよさっていうか性的興奮にも直結して快感を刺激し増幅するんですよね? そうなんですよ、性的にも感じてしまってたの、下で担いでたキミたちにもバレちゃってたかな。

 左がわでボクを支えていた女の子が「私はすぐにわかった」と言ったのに対し、先頭の女の子は「えーーっ、私ぜんぜんわからなかった。でも、あの嬉しそうなクロさんの顔を見たときは、もしかしたら・・って」

 ボクは、その先頭をやってくれていた女の子を、ボクの前に呼び寄せて

「じゃあ、乗るよ。おんぶして」と言って、彼女の背中に飛び乗った。

「えっ、私1人では、重いかも・・」

 しばらく、おんぶしてくれれば、ボクはキミの背中の上で気持ちよくなって感じてくるから、ボクが感じてることをキミが肌感覚でわかるかも

「あっ、気持ちよくなってきたよ、いま感じてるの、わかる?」

「えっ? そうなの? あっ、わかるかも」

他の女の子たちが「えっ?わかるもんなの?」と。

 そうなんだ、それにしても、クロさんの気持ちよさそうなというか、幸せそうなこのニコニコ笑顔、この笑顔からなら、私たちにも、いまクロさんが感じてることわかるけど・・。

 おんぶしつづけてくれてる女の子アキちゃんは

「私は、背中で感じるのよ。アレが当たるのを・・」と。

他の女の子たちは「へーーそうなんだぁ、おんぶしただけでも、男の人のアレって」

アキは「もう、おんぶ終わりにしていいですか?」

「今、感じてるところだから、降りたくない。もうちょっと頑張って」

 他の女の子たちは、アキの力尽きそうな苦しそうな顔と、クロさんのニコニコ笑顔の対比というかギャップがいいよね、と言いながら、みんなでスマホで、ボクら2人の撮影をしている。

そして2~3人が「これ、たしかに、卒業生を送る会の演劇にいいかも」と。

 では、男を担いでる女の子側は、自分がこんな重いもの運ばされてるのに、上に乗ってる男が悦楽に浸ってるのってどう? 左側の支えをしていた女の子は

「私はイヤだった。特に私のところからは、クロさんが気持ちよく感じちゃってるのわかったもんだから、なんで、この男の人を気持ちよくするために、私こんな運動させられてるのよ」って。

 先頭の女の子には、歩く方向や速度の決定権があるためか、それほどの「やらされてる」感はなかったようだが、後ろの2人にとっては、イヤイヤ感があったようだ。ということは、悦楽の表情と苦痛の表情の対比を見せ場にするなら、後方の女の子の表情を使ったほうがいいわけか。

 そんなこんなな企画会議のようなことをしていると、ボクをおんぶしてくれたままのアキから「もう降りてよ、クロさん」と。

「あっごめんごめん、、アキちゃんのおんぶに乗ってること忘れてたよ。すごく安心して楽に乗ってられる、良いおんぶだったから」

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