第87話・女性におんぶ実行でこそわかった新事実に

 カラオケボックスでは2時間くらい休んでから出ることにした。出てしばらく歩いたところでボクはリカコに

「やっぱり、おんぶして。足腰ガクガクで力が入らなくて、歩くのツラい」

リカコは「えーーっ、私のほうが疲れてるとおもうんだけど」

と言いながらも、ボクが飛び乗ることを許す姿勢になってくれた。

「足腰ガクガクだから、飛び乗れない。リカコしゃがんで、下から持ち上げてくれなきゃ」と言い、リカコを路面にしゃがませてその姿勢のリカコの背中にボクは跨るように、覆いかぶさる。

 リカコは立ち上がろうと頑張ってくれたが、70キロの男に乗られていては、なかなか立ち上がれないようだ。3回ほど立ち上がりに失敗したところで、能天気にボクがリカコの背中の上から提案。

「腰と背中全体で立とうとしないで、まずは、お尻だけを突き上げるように、ヒザをピンと伸ばしてみて」

リカコは素直にボクの言うとおりにすると、足を延ばしてお尻を突き上げた姿勢には、ボクを乗せたままできた。体育とかでやる、馬跳びの姿勢だ。ここまでできれば、あとは、リカコが自分の上半身を立ててボクの両足を両手でホールドしてくれるだけで、正しいおんぶの出来上がり。

「できたじゃん、リカコ」

「うん・・、でもなんか・・」

リカコはそのままボクをおんぶして、最寄り駅に向かって歩いてくれたのだが

「クロさん、重くなってるよ、カラオケ行く前より重いよ」

「ごめん、クチでやってもらって発射して、身体全体がへろへろに脱力しちゃって、重くなってるのかも、ごめんリカコ。でもこんな状態じゃボク歩くのツラいから、

リカコ最後までおんぶしてね」

「ムリよ、でれーっと乗られると・・こんなに重くなるって、もう、おろすよ」と、ボクは降ろされてしまった。

 これは、女の子におんぶ+口内発射の経験豊富なほうともいえるボクとしても、意外な新事実の発見だった。どちらかというと、射精後のほうが、軽くなっているのではないか、と期待していただけに。

 1回の射精よって出す精液はたかだか数グラムだが、男ってのは、射精行為によって、へろへろになるほどの体力エネルギーを使うわけだから、その分は軽くるのでは・・、との期待通りにはいかなかった。

 こういうところが、実際に実行して体感しなければわからない、論理だけではわからない、だけど、わかってしまえば簡単なこと、ってな楽しみだ。リカコとしても、射精後の男が、あんなに重くなるっていうのは、驚きの大発見だったと。そして、これはリカコにはまだ言ってないのだが、もうひとつ大発見があるのだ。

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