第84話・キャラ変した女子高生に静かなおんぶ

 寒くなり始めた晩秋のころ、ボクを暖かく抱っこしてくれた女子高生リカコとのことは、第32話で記したが、本格的の冬になって、また再会した。冬服のセーラー服が、これまたシックで別人のような色気を放っていたが、おんぶ抱っこフェチのボクの目は、過去に1度でも、おんぶや抱っこしてくれた女性の身体には、ピピッと同調反応する。

「リカコ~、また会っちゃったね」

「あっ、クロさん。。今日はしないよ」

「せっかくひさしぶりに偶然会えたのに、いきなり、しないよって、ひどいなぁ」

 いつもは女子高生友達数人と歩いてることの多いリカコだが、この日は、ひとりで歩いていた。ひとりだと、みんなでワイワイのときのような女王様気取りのオーラは放っていず、静かな美人女子高生って感じなとこ、そのギャップにボクは萌えたので、リカコにはそのように告白し

「たから、やっぱり、キャラ変してるもうひとりのリカコにおんぶしてほしくなっちゃった、ごめん」と。

 ボクは、リカコが肩にかけていたカバンを背負うと、そのまますぐに、リカコの背中に飛び乗った。リカコのおんぶももう3回目以上なので、おんぶする側のリカコにとっても自然と身についている慣れもあり、そういった「わかり合えてる仲」感が乗せてもらうがわのボクとしては、嬉しい安心感。

 リカコは、両腕でボクの両足をガッチリとホールドしてくれようとしていたが

「この冬制服の生地、すべるのよ」と。

なので、ボクは1度リカコのおんぶから下りて、リカコは制服の上着を腕まくりし、ボクはまた乗りなおした。この乗りなおししたことによってリカコは、ボクの

「おんぶして・・」から逃げ出そうとはしていないことの確認もできて、こういうふうに、女の子がボクのワガママを受け入れてくれてることが嬉しい

 この「女の子の受け入れ心」を実感できると、おんぶしてくれてるリカコの肌からの暖かみ、そしてさらに女の子の身体なんだな、という柔らかみを、よりありがたみをもって感じれる幸せ・・。

 はじめて、リカコにおんぶしてもらったときは、リカコは汗でびしょ濡れだった。今は寒い冬だが、リカコは実は冬制服の下は汗かいてるのだろうか。制服の上に乗ってるボクのところまでは、リカコの汗は達していないが、実は制服の中は汗まみれなんだろうか、そんなことを妄想していると、リカコの歩みから伝わってくる振動も最高に愛おしい。

 冬制服の内側のリカコの汗を妄想できるのは、4か月ほど前の、同じリカコの、汗まみれおんぶを体感させていただいてるからであり、女性におんぶしてもらえるありがたみは、回数を重ねるにしたがって、より深いものになってゆく。季節や服装やその他いろいろな状況によって、おんぶの乗り心地は、同じ女の子のでも違う。違うんだけど「同じ女の子」という太い共通柱はあり、これが、2人の絆として大切・・、チョー重要。。

 そんなふうに悦に浸って、リカコの髪を触っていると、ジワッと汗ばみをかんじたが、額とかが濡れるほどではなかった。これなら、しばらくこのおんぶのまま歩かせておいても大丈夫だな、との安心感をもって、リカコのおんぶを、気持ちにゆとりをもって堪能オーケーだね。

 黙々と静かに歩いていたリカコから静かな口調で「もう限界、降りてもらっていいですか」と。ボクは、前回までのリカコとの変化を感じたので

「リカコ、もしかして、失恋した?」

「えっ、なんでわかるの?」

「そりゃ、ボクの全体重を乗せさせてくれてるリカコとボクの

密着力でわかりあえる関係。リカコの心はリカコの身体に表れ、その身体の変化をボクの全身で感じ取れるボクたちそういう仲なんだよ、もう」

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