第31話・おんぶするの絶対イヤというバツイチ女性

 たまに泊まりに行ったりする仲のバツイチ独身女子ユリコと、夜道を歩いて彼女のアパートに向かっていたときに、ボクから「おんぶして」というと「え、おんぶ?

私がするの? 絶対イヤだ」と強く拒絶された。

 ユリコは「なんでだろ、男の人を私がおんぶするって、なんかイヤだと思ってしまう。クチでやるのより、イヤかも」と。この会話で、2人はしばらく無言になってしまった。クチでやる、とは、フェラチオ・口内発射のことである。

 実は、ユリコはクチでやるのがかなりイヤで、ボクは過去に2度やってもらったことあるが「イヤだ」とのことで、それ以降「ナシ」にしていた。

 衝撃だったのは、そのイヤな口内発射より、おんぶの方がイヤだということ。衝撃だったのはボクにとってよりも、ユリコ自身が、そのことに気付いてしまったことのようでもあった。

 ユリコは身長160くらい、スキーなどにもよく行く健康女子で、スポーツ女子というほどではないけど、身体はしっかりしてる方だ。つまり「できない」ではなく

「やりたくない」なのだ。その心の理由は「女の私が、男をおんぶするなんて、逆だ」というジェンダー意識だろうか。

 訊いてみたが、ユリコは「あれっ、なんでだろ、わかんない。なんで私、こんなにイヤなんだろ」と彼女のほうが自分の感情に戸惑っている。そんな感じの彼女にそれ以上問い続けると、追い詰めるみたいになりそうなので、この話はヤメにした。

 ボクとユリコのあいだには、同棲しようか話も出たことあったわけで、恋愛心はあった仲である。このときは気づかなかったけど、のちのちの経験を合わせてみると、他の女性とのケースでもいえるかもなのが、恋愛仲の女性のほうが、おんぶをイヤがるケースが多かった。

 それらの件については後日この連載で書きます。

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