第8話・華奢で非力なコスプレ女子のおんぶ

 いろいろな女の子に、おんぶしてもらいたいフェチのボクは、女の子に重労働をさせて自分だけいい気持ちになろうとする悪い男なのだろうか。今回は、コスプレをしている女の子に頼んでみた。

 上げ底の黒靴にミニスカートの少女風コスプレの女の子だ。初見で思ったよりも華奢で細い女の子だったので、おんぶ大丈夫かな、という不安もありつつも頼んでみた。

「おんぶしてくれる?」

「えっ、わたし、ぜんぜんチカラないんですけど」

「高い位置から、そーっと乗るから」

「ハイ、やってみます」

 ボクは、イスの上に立ち、ゆっくりと女の子の背中と肩に自分の体重を移し、両足を女の子の腰のグビレに乗せ、「両手でボクの両足を持って」と伝えると、ガッチリと支えてくれた。

「乗れたよ、いまのこの状態でボクの全体重はキミの上に乗ってるよ。おんぶ、できるじゃん、うれしいよ、こんな華奢なかわいい子に乗せてもらえて・・・」

「うん、でも動けないよぉ」

「歩けない?」

「歩くのは転びそうで怖い。ただここに立ってるだけなら、もうしばらくは、おんぶしていられると思うけど、歩くとかは動けません」

上げ底靴というのもあるだろう。ムリに歩かせて女の子に怪我させせちゃ申し訳ないので、ただ立ち尽くしてるコスプレ女の子にボクは乗り続けていた。

「重い?」

「そりゃ重いですよ」

「ゴメンね」

「いいですよ、べつに、ダメになったら降りてくださいね」

 ただ、立ち止まってる女の子にただ乗り続ける男、という図。こんなんじゃ、いかに、おんぶフェチのボクでも、つまんないのではいかと思いきや、そうでもなく、じっくりとおんぶを堪能てきた気持ちでもある。例えば、彼女のコスプレイヤーとしての綺麗な黒髪に顔をうずめてクンクンしたり。

 あと、こんな華奢で非力な女の子に自分の全体重を乗せてるんだというS的な心が満たされた。女性におんぶしてもらう大切な醍醐味は、華奢でか弱い女の子が、乗ってる男の悦楽のためだけに頑張ってるというギャップ萌えである。

 その「華奢でか弱い」という点からすると、今回、限界まで頑張ってくれたミユキさんは最高ともいえた。上げ底の黒靴の女の子がおんぶしてくれたんだよ~~。自分の体重を支えて歩くだけでも大変そうな靴だよね。

 1度だけで、嫌がるかとおもったら、ミユキちゃんはボクと3回デートしてくれて、3回とも、おんぶしてくれました。

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