第5話・女子高生におんぶしてと頼んでみた
よく行く隣町で、何度か見かけた光景だった。セーラー服を着た女子高生の4人組。その中の小柄の女の子が3人分の荷物を持たされていた。1人は自分の荷物を持っていたが、長身の2人は手ぶらだった。
手ぶらな2人のうちの1人は、なかなかの美女でスタイルも抜群、女性の世界での
ヒエラルキーとしては、女子高生として最高位のオーラを放っていた。1人に荷物を持たせてるのは、単純なイジメではないだろう。この最高オーラの女王様の近くにいたい女の子たちのグループという感じ。
ボクは、最高位的な美人女子高生に話しかけた。
「キミがこの4人の中で一番偉いの?」
「偉いってわけじゃないけど、たまたま今日はマサミがカバン持ってくれてるだけで、さっきジャンケンで決めたのよ」
「そうなんだ、じゃあボクの荷物もマサミちゃん、持ってくれる?」と言って、ボクの荷物を、すでに3人分を持たされてる小柄なマサミちゃんの肩にかけた。
女子高生たちは「えっ?」という顔をして驚いている。
ボクは、最高位女子高生に「キミはボクをおんぶしてほしい」と、彼女の後ろから両肩に手をかけた。
「えっ、私がおんぶするの? 男の人をおんぶなんてムリ」
「できるよ、キミなら」
「できるよ、じゃなくて・・」
「乗るよー」と告げて、そのまま飛び乗ると、女子高生は両腕でちゃんとボクの
両足を持ってくれた。
「なんで、私だけ、こんな重い荷物なのよー」
「それはキミがこの4人の中で最高なコだからだよ。おんぶしてもらう側からすれば、最高の女の子に乗りたい。キミはカバンなんか他の女の子に持たせて、カバン
なんかより重いボクをおんぶする役目ってことで」。
それにしても、最高の女子高生のおんぶって最高にいい気分。他の3人の女子高生たちは荷物を分けて持ってて、手ぶらはいない。「私たちは荷物持ってるから、リカコは男の人おんぶね」と言いながら3人は歩調を速めた。ボクをおんぶしてるリカコは、3人の歩調についてゆけず遅れて歩いてる。
「なんで、私だけ、こんな重い荷物持たされてるの?」
「乗ってるボクは楽で気持ちよくて最高だから、リカコ頑張って」
かなり向こうまで荷物を担いで先行してしまった3人組から
「リカコ速く速く、遅いよー」と。
リカコは「うるさいなぁ、こっちはこんな重いの持たされてんだから・・」
「私たちだって荷物持ってるよ」と3人組。
リカコは「誰か交代してよ」
「交代なんかしないよ。私は最後までカバン持っててあげるから、リカコは、男の人を最後まで頑張って」と言いながら、さらに先に歩いていった。
「まったく、あいつら」と不満げな女王的女子高生に、おんぶしてもらえてる自分の幸福感。リカコの歩調は立ち止まりがちになってきて、かなりキツいのだろうか。
それにしても、スタイル抜群の女の子のおんぶは気持ちいい。女の子の腰のクビレに自分の両足がフィットするのが、たまらない。女子高生のセーラー服が女の子の汗でにじんだ、それのボクの身体との密着感もドキドキものだった。彼女の茶髪の髪の毛が汗で乱れて垂れ具合がまたいい感じなので、髪の毛を触ってたぐりあげると、
女王様は「こんなに汗かいたの初めて・・・」と。
威張ってた女子高生のこのささやき調の声に、ボクはキュンときてしまい、背中の上から両腕でギュッと抱きしめると「暑いっっ」と言われちゃった。
さて、この女王様はどこまでボクをおんぶしてくれるのか・・
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