第14話 クレナの料理改善
ストラス達には朝に朝食を作るという当番が代わりばんこで回ってくる。その中でもひどいのがクレナだ。クレナが料理を作ると、味は塩気が強いときや甘みが強い時もあって、見た目も言葉じゃ表せないほどひどかった。
その日はクレナが朝食を作る当番だった。
「クレナ、一つ言っていいか?」
ストラスはクレナが出した料理を見つめながらクレナに言った。
「言っちゃ悪いけど……お前の料理はマズイ……」
「えーー!」
クレナは膝から落ち床に手を付けた。
「クソ……何処がいけなかったのだ!」
「んー、味と見た目だな!」
モアは頭をかきながら言った。
「じゃあ、今から私の料理を改善する旅に出るぞ!」
クレナは早速準備をし始めるとヘルメが椅子に座りながらがクレナに言った。
「なら私料理を教えてくれる人知ってますよ」
「そうなのか!」
クレナはヘルメのところに飛びついてきた。
「確かアコフレ村に、眼鏡を掛けた魔女のような服装をしているおばあさんがいるんですけど、その人はものすごく料理がうまいらしいですよ」
「分かったのだ!」
クレナはドアを蹴飛ばし、外に出てアコフレ村に向かった。
アコフレ村に着くとすぐにヘルメが言っていたおばあさんが見つかった。
「意外とあっさり見つかるものなのだな」
クレナはおばあさんに話かけた。
「すみません、料理がうまいおばあさんですか?」
「それがどうかしたのかい?」
おばあさんは首をかしげながらクレナのことをじっくり見た。
「私に料理を教えてほしいのだ!」
クレナは勢いよくお辞儀をし、おばあさんにお願いをした。
「良いけど、わしの修行はキツいぞ」
おばあさんはにやけながらクレナに言った
「料理が美味しくなれば、辛くても頑張るのだ!」
クレナは胸をドンと叩きそう言った。
「そうかいそうかい、アンタドラゴンやろ? だったらわしの家まで送っていってくれんかの?」
「な、なんでドラゴンってこと知ってるのだ?!」
クレナは自分がドラゴンだということにおばあさんが知っていることにものすごくビックリした。
「あんた、尻尾出てるからよ」
クレナは自分のアホらしい所をおばあさんに見られてしまい、顔を赤くした。
クレナは村から離れた所でドラゴンの姿になり、おばあさんを背中に乗せてた。そのおばあさんの名はカルクと言った。
カルクの家に着くと、そこは家の回りは木で囲まれていて、近くに滝があった。
「じゃあ早速修行に入るとするかね」
まず最初は材料の見極め方から始まった。
「例えばこの大根の根を見てみなさい。白い根の部分はハリやつやがあるだろみずみずしいものほど新鮮だからこれを選ぶこと」
クレナは頷きながら紙にメモを取った。
2日ほどはこの材料の見極めだった。
次の日は調理器具に関して学んだ。
「クレナ、この道具の使い方は分かるかい?」
カルクは調理器具が入っている棚からおろし器を出した。
「分からないのだ」
そもそも、クレナは料理をする時は包丁しか使わなかったので、他の調理器具に関しては知識はゼロだ。
クレナは一日で包丁以外の調理器具の使い方を頭に叩き込んだ。
そのまた次の日は野菜の切り方などを学んだ。
「柔らかく仕上げたいときは、例えばこのピーマンを縦に切るんじゃなくて、横に切る。逆に歯ごたえ良くシャッキリと仕上げたいときは縦に切る」
クレナも実践しながらメモを取った。
時々、イノシシを狩るや滝に打たられるという謎の修行も時々あった。
カルクの家に来てから20日ほどがたち、カルクにこう言われた。
「自分で一回だけ料理を作ってみなさい。それでわしがここでの修行は終わりにするか判断するよ」
クレナは早速料理をし始めた。
カルクから学んだことは全て使い、料理を作り終えた。
「おーー、サラダとオムライスかい」
20日前までのクレナとは違い、味はしっかりとしていて見ためも整っていた。
カルクはサラダとオムラスを全て食べて、クレナにこう告げた。
「これはお店を出しても文句も言われないほどの美味しい、だから合格じゃ!」
「んーー!やったーー!」
クレナはピョンピョン飛びながら喜んだ。
「クレナ中々帰って来ないな」
「ですよね。クレナがいなくなってから静かになりましたし、モアも最初の頃のように戻っちゃいましたし」
「早くクレナと遊びたーーい」
そう言っていると、クレナがドアをまた蹴っ飛ばして帰ってきた。
「ただいまなのだ!」
三人は椅子から立ち上がりクレナに近寄った
「おかえり!」
「クレナがいなくなってから静かすぎて、寂しかったんですよ!」
「俺、お前がいなくなってからメチャクチャ暇だったんだぞ!」
「落ち着くのだ。3人共少し座るのだ」
するとクレナはカルクに会って料理の修行をしたことを伝え、3人のために料理を作り始めた。
料理の内容はカルクに出したのと同じサラダとオムライスだ。
「さぁ、早速食べるのだ!」
3人は一緒のタイミングで食べた。
「どうしたんだよこの味メチャクチャ美味しいじゃん!」
「確かに美味しいです。お店に出しても文句言われなさそうですね」
「20日前までは、あんなにヤバかったのに凄いな!」
3人はクレナのことをものすごく褒めると、クレナの顔は赤くなり、尻尾がピクピク動きだした。
するとストラスは急にクレナの頭に手を置いた。
「クレナはやれば出来る子なんだからさ、色んな事に挑戦してみなよ。努力は無駄にはならないからさ」
クレナは嬉し過ぎたのか、さっきよりも激しく尻尾が動いた。
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