第4話 迷ってるときって同じ道を通るよね
美味しいご飯を食べることができて満足だったのか僕は夕方に宿屋に戻り部屋でまったりとしていると自然と眠くなってきた。
数時間重たい荷物を持って移動したのと初めての土地に来て慣れないことをやったから思ったよりも精神的に疲れていたみたいです。
ちゅんちゅんっ!
気がついたら朝になっていた。
どうやら僕は眠りが深い方らしく、起きるまでの時間が一瞬で過ぎていくんだよねー。他の人ってどうなんでしょうか?
まぁ、どうでもいいことなので置いておいて今日はついに冒険者組合に登録へ行く日です。
話に聞いたところによると冒険者組合の登録には試験があるそうなので持っていくものは最低限の荷物と武器だけにしましょう。
父さんからもらった剣を腰にさし、弓を背中に背負ってポーチに最低限の荷物を入れて部屋を出る。
昨日帰ってきた時に宿屋の店主聞いた冒険者組合の場所は村の中心にある噴水広場から北東に進んだところにあるらしい。
この世界に来てから地図というものはほとんど見たことが無いので僕の方向感覚は随分となまっている気がしますね。
そもそも…この村の入口って噴水広場から見てどっち向きなんだろ…?
まぁ、いけばなんとかなるよね☆
そんなことを考えて歩いていると自然と噴水広場に到着していた。
噴水広場の回りにはいろいろとお店が立ち並んでいた。
昨日通った宿屋通りや飲食通りに立ち並んでいたお店とは佇まいから違うように感じる。うん。高そうだね。
さて、じゃあここから北東ですね?北東…北は上だから北東は右斜上だね!
人間は上には進めないのでとりあえず目の前に見える道を進むことにしてみましょうか。
進んでみると何か違う気がするので右の方に進んでみる。ほー?よくわからないですねー。
んー?おかしいですねー。何回か曲がって歩いていたらさっき見た噴水広場がまた目の前に見えます。
前世の僕はここまで方向音痴ではなかったと思うのですが…あ、あれかな転生ボーナス的なやつで僕がもらったのが【
いや、さっきはちょっと道を間違えただけだ。違う道を行ってみよう。
ほら、さっきとは違う道が広がって…。
(10分後)
噴水広場に到着しました〜(遠い目)。
おっかしいな〜1回目とは違う道を通ってきたのに同じ場所に到着するなんて…。
ほら、もう1つ違う道がありますねー。行ってみましょう。今度こそ正解です。3度目の正直とか言うじゃないっすか〜。
(さらに10分後…)
噴水広場に到着しました〜(2回連続2回目)
ちょっとどころじゃないくらい困るんですけどどうしてくれるんですかこれ?
あーもーどこにも怒りをぶつけることができないから更にイライラしてきた。
「どこなんだよ冒険者組合って!ぜんっぜんたどり着けないんですけど!!」
噴水広場に少年の声が響く。
しまった…。ついイライラしすぎて思っていたことが口から出てしまった。
こんな風にわめき散らかしたところで現状なんてのは何も変わらないのにな…はははみんなこっち見てらぁ…。
「あの、あなたも冒険者組合に用があるの?」
声をかけてきたのは濃い紺色のワンピースのような服の上にマントを羽織っていて同じ色の大きな帽子を被っているのであまり顔などは見えないけど、薄いエメラルドグリーン髪が見える。
帽子が大きく正確な身長はよくわからないけど、昨日あったターシャちゃんよりちょっと年上くらいの女の子が声をかけてきた。
「お嬢ちゃんどうしたのかな?もしかして、冒険者組合までの道を教えてくれるのかな?」
「お嬢ちゃんって…私も冒険者組合に行こうとしていたから良かったら一緒にって思ったのに。じゃあ、何?案内もいらないということでいいのかしら?」
「いいえ、お願いします」
おいおいおいおい!ちょっと待ってくれよ〜。
冒険者組合への登録って15歳以上にならないとできないんだろ?ということはこの子は最低でも僕と同い年ってことだろ?
嘘だろ?マジで見た目ターシャちゃんと対して変わらないような…いや、たしかにこの子の方が大人びているけれども…身長と体型が…。
おいおいどーなってるんだよこの世界は!
ああ、そうか!
この子は妖精俗的な何かで成長が著しく遅いだけなんだろうね!そういうことにしておきましょう!女性に年齢を聞くのは失礼だからね!うん!
「あんた名前なんて言うの?」
「僕はエルドナス。ルーファス=エルドナスっていいます」
「そ、私はエーシェルドよ。呼びにくいと思うからエーシェって呼んで」
「あ、じゃあ僕はエルって呼んで。家族からもそう呼ばれてたから」
「わかったわ。エル君ね。いいわね家族から愛称で呼ばれていたなんて」
エーシェさんは闇属性をお持ちの方のようですね。
詮索をすればするだけその闇に引きずり込まれそうなのでやめにしておきましょう。
深淵を覗いた時深淵もまたって言うからね〜。
やめておいたほうがいいこともあるんでしょうたぶん…。
「で?行くんでしょ冒険者組合」
「そーんなんですよ!かれこれ30分くらい迷ってるんじゃないかなってくらい道に迷い続けちゃってて」
「途中からずっと見てたけど、本来冒険者組合はここから5分もかからないはずなんだけど…。どれだけ方向音痴なのよ…」
え?見てたの?恥ずかしぃなぁ…。
「いやぁ…」
そんなに褒めないでくださいよ〜。これはきっと転生特典だからね!
ユニークスキルってやつじゃないっすかね!そう考えたらなんだか誇らしく思えるようになってきたよ【
「ほめてないわよ」
「なぜわかったぁ!?」
会って数分で僕の思考が読めるようになるなんて見た目からして魔法使いっぽいから僕もしかして精神支配系の魔法か何かを受けちゃってますかね?
「顔に全部書いてあるわよ」
あ、そういうことなんですね…。確かに父さんと母さんも僕が考えていることすぐに分かってたね。そういうことだったんですか〜。
長年の謎?がやっと解けた…んですかね?
「それと冒険者組合に登録できるってことは年もそんなに変わらないみたいだから敬語なんていらないわよ」
「ありがとー!敬語って使ってると肩こっちゃうんだよねー」
だって、見た目が自分よりも年下に見える子に敬語を使うのはさすがに…ちょっとあれなんだよねー。いやぁ〜気が楽になったわー。
「あからさますぎるんけど…。まぁいいわ。行くわよ」
「はーい!」
「着いたわよ」
「近いんだねー…僕のあのあるき回った時間はいったい…」
エーシェに連れられて5分で着いちゃいました。
エーシェの歩くペースに合わせると僕からすればかなりゆっくり歩いていることになったので僕のペースなら3分くらいでついちゃいそうな距離でしたね。
ほんとにすぐに着いちゃうんですねー。ウケる。
この扉の先が冒険者組合。
決戦の地ですね。
さぁ、やっと僕の物語が始まるんですね。
飽き性だったのが災いして一つのことを極められませんでしたができることやって生き抜きます 唯織 @iorin1010
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。飽き性だったのが災いして一つのことを極められませんでしたができることやって生き抜きますの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます