第14話: 闇の城塞と光の剣

アルルファン(いや、今はこの研究所を探索する方が先か)

俺たちは慎重に進むことにした。

そして中に入った瞬間、何かを感じた。

???「なんだ?」

???「誰かいるな……」

???「誰だ!」

すると奥から黒いフードを被った男が出てきた。


カズヤ「お前は誰だ?」

???「分からない。」

カズヤ「人形なのか。」


アルルファン(違うぞカズヤ)

アルルファン(おそらく闇の魔力に侵されているだけで元は人間だ。)

カズヤ(じゃあこのオーブを使って、

闇の魔力を浄化すれば)


カズヤはオーブを人形に近付けた。

するとたちまち闇の魔力は薄れていった。

しかし…


闇の魔力が抜けた人形は人間には戻ったがすでに死亡していた。

カズヤ(そんな、)

アルルファン(やはりか。闇の魔力に汚染される時に人としての命は消えてしまったということか)

カズヤは立ち上がり、ドームの中央に向かってまた歩き出した。

その先々で人形と会ったが、その全てが浄化した瞬間に生命反応が消えた。


ユイ「こんなの酷い」

???「酷いだと?この魔力全てがこの国の人々の憎しみ妬み呪い全てだと言うのに」


暗闇の先に誰かが立っていた。

ユイがグリームスフィアを放った。しかし、その魔法はかき消された。

カズヤ(光の魔法がかき消された…

闇の魔力か……)

アルルファン(男は闇の魔力を操れるようだ。)

すると男が何かを取り出した。それは黒いオーブだった。そして男はそれを自分の胸に当てた。すると男から大量の闇の魔力が溢れ出た。

カズヤ(なんだ!?あれは!)


???「教えてやろう、世界の憎しみを人が持つ全ての負の感情の強大さを」

??は闇のオーブを胸に当てながら唱えた。

「漆黒の闇よ、我が手に集え。

 すべてを呑み込み、滅せよ――

 《ダークネス・ヴォイド》」

すると闇のオーブからどす黒い魔力が溢れ出た。

??は、その魔力を自分の体に纏い始めた。その姿はまるで闇を纏った騎士の様だった。

カズヤ(なんだあれは)

アルルファン(あの魔力はまるで……)

???「我が名はルクスフィア

ダークナイトメア・ロード そして魔王よりこのドームの管理を任されていた過去の遺物だ」

カズヤ(過去の遺物?)

ルクスフィアは闇の魔力を纏いながらこちらに歩いてきた。そして剣を抜いた。すると闇の魔力が剣に集まり始めた。

アルルファン(まずいな、あれはかなり強力な力を持っているぞ)

ルクスフィアはこちらに向かって突進してきた。そして剣を振り下ろした。

カズヤは剣を抜き、防いだ。

アルルファン(だめだ、わしたちの力では闇の魔力と同種だからあやつに対抗できん)

カズヤ(じゃあどうすれば)

ルクスフィアは何度も剣を振り下ろした。そして俺はそれを防ぐのに精一杯だった。その時、溢れる闇の魔力にオーブが触れた瞬間、オーブが光り出した。

カズヤ(これは!)

ルクスは後ろに下がった。そして闇の魔力は徐々に弱まり始めた。しかし、ルクスフィアの体に纏っていた闇の魔力が完全に消える事はなかった。

アルルファン(あれはまずいな……おそらくあの剣には強力な闇の魔力を

増幅させる力を持っているようだ)

ユイと俺はグリームスフィアを放ったがルクスには全く効かなかった。

ルクスはまたこちらに突進してくる


ユイ「私が敵の魔力を弱める。だから少しの間耐えて欲しい」

するとユイは多重詠唱を始めた。

「光の精霊よ、我に応え、闇を払う力を授けよ。

 輝きをここに顕現せよ。

 最初の光よ、闇の縛りを断ち切れ。


 天を照らす聖なる焰よ、暗黒を焼き尽くせ。


 神秘の光よ、全ての闇を浄化し、真実の道を示せ。


 宇宙の輝きよ、無限の光で闇を引き裂け――

 全てを清め、世界を照らせ!

 《アークレイ・ヴァレリア》!」

ユイはルクスに向かって光の魔法を放った。しかし、ルクスは闇の魔力を増幅させた剣で魔法を受けた。

煙が晴れるとそこには無傷のルクスフィアが立っていた。そしてその手には光輝くオーブが握られていた。するとそのオーブからどす黒い魔力が溢れ出た。そしてルクスは剣を構えた。

カズヤ(まずい!)

アルルファン(あの攻撃が来るぞ、避けろ!)

俺は咄嗟に後ろに下がった。しかし、その攻撃をかわすには遅かったようだ……その時だった――俺の前に1人の男が立ち塞がった。その男は光輝く剣を振り下ろしルクスの攻撃を受け止めた。そしてその男の体から光が溢れた瞬間、その光はカズヤたちを覆った。「この事象を外に伝えよ。そして再び現れ、ルクスフィアを討つのだ」

光が消えると、カズヤたちは研究所の外にいた。

カズヤ「今の男は一体。」

アルルファン(あの男のおかげでワシらは何とか逃げることが出来た)

ユイ「けど、あの力に勝つには今の私たちじゃ、、、」

カズヤ(いや、まだ手はある。)

アルルファン(そうだな、あのオーブの力はおそらくあの男のものだ。ならばその力を利用すれば)

ユイとカズヤは街に戻り、ルクスフィアを倒すための準備を進めた。

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雫廃れる世界で君と @Ren258

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