第12話:運命の迷宮の解放

こうして2人は明日に向けて眠りについた。そしてついに決戦の朝となった。~ラデストside~

ラデスト「今日が約束の日ですね」

ラデストはどこからか現れてそう呟いた。

グレン「ラデスト、もしあんたが負けたら分身体ごと私はこの世界を滅ぼすよ」

ラデストは不気味な笑みを浮かべながら答えた。

ラデスト「クックック、私の迷宮をあなたに滅ぼせますかね」グレンは剣を引き抜いた。

そして、2人はカズヤ達との決戦のために場所を移動した。

〜別宿にて〜 アルルファンとカズヤは最終確認をしていた。

アルルファン「わしの攻撃が決まればラデストを倒すことができる、そこで貴様にやってほしいのは力を使わずにグレンを倒せ。グレンには力を模倣する力も持っているからな。」

カズヤ「つまり、グレンには俺の攻撃は読まれるということか」アルルファン「まあ、そういうわけじゃ。とにかくチャンスは1度きりだ。頼むぞ」

~決戦の時~

ラデスト「フハハ、来なさい、挑戦者よ。私の世界でせいぜい頑張って見せよ」

グレンはカズヤに攻撃を繰り返す。カズヤもそれに合わせて戦っていた。

そして魂化したアルルファンはラデストの背後についた。

ラデストはそれに気付きグレンを突撃させた。しかし、そこにはすでにアルルファンはいなかった。

アルルファン「今だ、やれ!!」

カズヤ「解放(アンリーシュ)!」カズヤがそう言うと、アルルファンは炎に包まれ剣の形となった。その剣はラデストに向かって突撃した。

そしてラデストも同時に魔法を展開させた。しかし、グレンに気を取られているラデストはそれに対応できなかった。ラデストはなす術なく体を貫かれた。

グレン「ラデスト!」

ラデストは倒れた。

そして、ラデストは呟いた。

ラデスト「そうかやはり貴様! 魔王か!!」

そう、アルルファンの炎の剣は魔王が持つ世界を断つ剣だったのだ。

アルルファン「そうだ、ラデストおまえはおわりだ」

ラデスト「これが貴様の本気か、、」

ラデストは喋りながら息絶えた。そしてラデストは黒い霧となって消えていった。

カズヤ「あとはてめぇだけだ、グレン。」

そう言い、カズヤは剣を構えた。グレンも剣を構えると2人は走り始めた。

そして、力と力がぶつかり合う激しい音が鳴り響いた。しかし、決着はそう長くはかからなかった。

グレン「なぜ力を使わない?あの魔王が力を使えば一瞬で終わるだろうに」

カズヤ「それは、お前の力を使わせないためだ」

グレンは笑いながら答えた。

グレン「アルルファン、俺の力を教えたな!」

その時カズヤの剣はグレンの体を貫いた。

グレン「まさか、貴様に負けるとはな。貴様も早く覚醒をすることだな。」

グレンは倒れた。そしてカズヤはアルルファンを剣から戻した。

アルルファン「終わったな、カズヤよ」カズヤは頷いた。そしてアルルファンは言った。

アルルファン「これで邪魔をされずにラデストの迷宮を破壊できる」カズヤ「さて、行くとするか」そして2人はラデストの迷宮へと向かった。

アルルファンは扉に自身の魔力を流し込み迷宮に穴をあけた。すると、その先には機械のようなものが沢山置いてあった。アルルファン「こ、これは」そこには人間の体や魔物の体と思われるものなど様々なものがあった。

これが迷宮に住む国民の真実、、、

アルルファン「そうか!なぜ気づかなかったんだ!!」

カズヤ「どういうこと?」

アルルファン「ここグライドンはワシが魔王だったころに滅んでいる」

カズヤ「なるほどな、つまりこのラデストは滅びた種族を操っていたのか」アルルファン「そうじゃ、しかし」

その時、謎の男が顕れた。

カズヤ「誰だお前は」

『私はラデストクだ。君たちはグライドンが滅んだと知らなかったのか。

わたしはあの迷宮にて敗れたがあの迷宮を生成したのは私だ』

ラデストク『行くぞ貴様ら。最後の戦いだ』

カズヤ「行くぞアルルファン」アルルファンは戦闘の構えをとった。

ラデストク『フフフ、かかってこい』

こうしてグライドンは滅んだ理由を知る者と彼らとの戦いが始まった。

~アキラside~

アキラ「あれは出口か?」

春「カズヤがやってくれたのね」

三人は出口へと歩いた。

春「ここを越えれば、この迷宮ともお別れね」

アキラ「そうだな。とにかく、ここから出よう」その時アキラは急に立ち止まった。

春「どうかした?」春も異変に気づくと歩みを止めた アキラ「この石の上にいるやつを知っている気がするんだ」

春「この子。私にそっくりね。」

そこには春にそっくりな幼い少女が描かれていた。」

アキラ「なにか、関係があるのかもしれないな」

春「この絵の女の子についてはまた本部に戻ってから調べるわ。」

そして三人は出口に向かって歩いていった。

カズヤはラデストクの攻撃をかわしながら戦っていた。

ラデストクの攻撃は常人には見えないほどの速さだった。

しかし、カズヤはそれを完全に見切っていた。

ラデストク「お前、やるな」

カズヤ「俺はただの冒険者だよ」そしてカズヤは剣で切り裂こうとしたが、それは止められた。

ラデストクが前に張っていたバリアに防がれた。

ラデストク「わが力は迷宮を作るだけにあらず、このように強固な盾を作る事も容易だ」

そういってラデストクはカズヤの剣をはね返した。

ラデストク「私はお前と戦いながらも同時に迷宮を作ることによって更なる進化ができるのだ。」そしてラデストクの手で作られた黒い影から新たな魔物が出てきた。

出てきたのはグレンだった。

アルルファン『まさか、これはグレンか?』

ラデストク「そう!グレンは私の国にて最期を迎えた。遺体は私が回収し、量産したのだ」

ラデストクは不気味な笑みを浮かべながらカズヤの首をつかもうとした。

その瞬間、アルルファンの剣がラデストクの脇腹を貫いた。

ラデストク「ぐぅ、な、なにー!」

しかし、グレンもすぐさま攻撃を加えて来たためアルルファンは直ぐに黒い煙で

魂化し、カズヤの体に戻った。

アルルファン「この策を使ってもあれだけの傷か、、、」

ラデストク「おもしろい」ラデストクは魔力を溜め始めた。するとその魔力により空間が揺れ出した。

アルルファン「な、何だこれは」

カズヤも膝をついた。そしてさらに強力な攻撃を加えようとしたグレンだったが突然膝から崩れ落ちた。

アルルファン「ラデストクの魔力をこの地に流し込み、クローンを召喚する範囲を拡大させている」

カズヤは距離をとった。そしてラデストクは溜めた魔力を打ち込んだ。すると骸骨の大群が現れた。

ラデストク「私は組織幹部が一角。亡域のラデストク。組織は貴様たちの妨げを煙たがっている。私が出る幕はここでは無いので失礼させていただく」

するとラデストクの足元に黒煙が生まれ、ラデストクは消えた。アルルファン「やはり、一筋縄ではいかないな」

すると骸骨の大群は2人に襲いかかってきた。そしてアキラと春が出口に着いた時、そこで目にしたのは巨大なスケルトンと周りをうごめく大量のガイコツだった。そしてその奥にはカズヤの姿も見えた。

3人は息をのんだ アキラ「おい、なんだよあれ」

春「こんなのどうしろっていうのよ」

アキラ「なんでガイコツがうごめいているんだ?」

スケルトンの大群が襲いかかってきた。それに対抗すべく2人は戦闘態勢を取った。

アキラ「あれ?なんか透けて見えるぞ」そしてアルルファンも言った。

アルルファン『奴らの攻撃は我々の魔力を吸い、自律する時間を伸ばしているようだ。』

スケルトンが槍を投げてきた。すかさず、アルルファンは炎の盾を作り出した。そしてその隙に春は素早く、蛇腹剣でスケルトンを薙ぎ倒した。

数時間後、ようやく骸骨の大群を倒しきり、本部へ帰った。そして彼らは、ラデストクが迷宮を作成していた理由を知った。

~アキラside~

俺たちが本部へ帰るとなにやら慌ただしい雰囲気だった。そして誰かが言った「地下施設の侵入検知装置に反応があったらしい」俺たちはそのことについて詳しく調べるために、先に向かったユキと彩花の後を追うように地下へ向かった。そこには何人もの研究員がいた。しかし、なぜこんなに急ぎ足で行くのか分からなかったため俺は近くの研究員に聞いた。その答えに俺は耳を疑った。

研究員「カズヤさんの体から異分子の反応が」

アキラ「どういうことだよ。」

研究員「カズヤさんの体内にある異分子がこの施設の侵入装置が反応しました」

そこには台に縛られたカズヤが黒い霧に包まれていた。

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