第10話:覚醒

アレルグ「私の部下を一掃するとはさすが我々の敵であり、唯一の脅威。

カズヤ君、君に私は倒せない。まぁ諸君、せいぜい我々を失望させないような戦いをしよう」

そう言って迷宮の暗闇に消えていった・・・


カズヤ「よし、前回と同じように二つに分かれようクライシスが先に迷宮に入る

そして時間をおいてからクロニクルが入る作戦にしよう」

アキラ「了解」

春「私は少し遅れてからでもいいかしら」

カズヤ「わかったよ春姉」春「ありがと」


クライシスが迷宮に入る。


~一方春は~


春(聞こえていますかルグニカ様。)

ルグニカ「どうしたの、私にお願い?」

春「はい、あなた様の力でユウジ君を蘇生できないかしら」

ルグニカ「確かに可能よ。ただ、死者をよみがえらせるためには発動者にも大きな負荷がかかるわよ。」

春(構いません)


ルグニカの力によりユウジは復活。

ユウジ「あんたは・・・俺は死んだはず・・・」

春「確かにあなたは死んだ、けれどあなたにはまだやるべきことがあるはずよ」

ユウジは立ち上がり仲間の元へ行く。

春も迷宮に向かう。


~その頃迷宮では~

アキラ「この迷宮は迷路みたいですね」

カズヤ「そうだな、とりあえず分かれて探すぞ」

それぞれ探索を始める。

ユイ「キャーッ!」

ユイの声だ! すぐに声の方へ向かうとそこにはユイがいた。

アキラ「大丈夫かい?ユイちゃん」

ユイ「うん・・・でもここどこだろう・・・」

アキラ「わからないけど、敵がいるかもしれない。離れないで」ユイの手を引きながら進む。

その時後ろから何かが迫ってくる気配を感じた。

振り向くとそこにはオーガがいた。

オーガの一撃をかわしながらなんとか逃げることができた。

しかし行き止まりだった。

???「オーガの一撃をかわしてここまで逃げれるなんてさすがだね。

けどぼくの計画にずれはない」

アキラ「お前は誰だ!」

???「僕の名はラデスト。君たちを手のひらで踊らせる脚本家さ」

カズヤ達が来るまで持ちこたえるしかない。

アキラ(僕は戦闘向きじゃないんだけどなあ)

心の中でぼやく。

ラデスト「君はなかなかやるようだね。それじゃそろそろ退場してもらおうかな」

そう言うとラデストは剣を抜き僕に向かってくる。

アキラ(来るなら来いっ!)

その瞬間目の前が光り輝く。

ラデスト「今度はなんだ!」


その光の正体はユイだった。

その姿は水の精・ウンディーネそのものの姿だった。

ラデスト「なぜこんなところに精霊使いの少女がいるんだ!」

アキラ「ユイ。。。お前、その姿は」

ユイはアキラを見て微笑むと、ラデストに向かって歩いた。

ユイ「お兄ちゃんに手出しする奴は許さない」

ユイが手をかざすと水が渦を巻きながら集まり水でできた巨大な竜が現れた。

竜はラデストを飲み込み壁に叩きつけた。

ラデスト「ぐっ、まさか精霊使いとは・・・」

そういうとラデストは気を失った。

するとユイは元の女の子の姿に戻った。

アキラ「ユイ!」

ユイ「お兄ちゃん。私頑張ったよ」

アキラ「うん・・・お前は本当にすごいよ・・・

少し休んでから合流しよう」

ユイ「うん、私疲れちゃった」


~一方クライシスは順調に迷宮を進んでいた~


クラリス「もうすぐ最深部ですよ」

クラリスは地図を見ながら言った。

その時、前方から人影が見えてきた。??「あら、あなた達が侵入者かしら?」

クラリス「あなたは?」??「私はクロエ。あなた達の命を奪いに来たのよ」

クラリス「あなたがあの有名な殺し屋さんですか。噂通りかわいい子ですね」

クロエ「ありがと。あなたもとても可愛いわよ。私の好みかも」

クラリス「それはうれしいです。でもあなたはここで終わりますよ」

そう言って二人は戦闘に入った。

しばらく時間が経ち、 クラリス「あなたの魔法は見切りました。これでとどめです」クロエ「さすがにあなたは強いわね。でも、私は負けられないの」

そして次の瞬間、大きな爆発が起こった。

激しい煙が辺りに漂っている。

すると、急に視界が晴れた。

そこには、ボロボロになりながらも立っているクロエがいた。

クロエ「はぁ・・・はぁ・・・やっと追いついたわ。あなたはここで殺す」

そういうと、また戦闘が始まった。

お互い傷つき合い、血まみれになっている。

その時、アキラ達の方で大きな音がした。

どうやら、ユイが戦ってるらしい。


アキラ「大丈夫かい?ユイ?」

ユイ「うん、だいじょうぶだよ」


「ユイ、ここはいったん引きかえすぞ」

ユイ「わかった。あ、あいつ逃げた!」

僕はすかさず追跡魔法を発動した。

するとクロエは逃げていることがわかった。

アキラ「どうやら、逃げ足だけは早いらしいな」

ユイ「それよりお兄ちゃん。私疲れた」

アキラ「しょうがない。しっかりつかまっててね」

ユイをお姫様抱っこする しばらくすると、迷宮の入り口に無事戻ってきた。


アキラ「みんなをここで待とう。」

ユイ「みんな無事だといいね。」


「ああ、みんな強いし大丈夫だろう。それよりユイ今日は本当にありがとう」

ありがとう。その言葉は彼女にとって一番のご褒美だった。

アキラ「お前だけでも無事で生きていてくれて本当に良かった」

感極まって涙が出そうになるのをこらえながら続けた。

ユイ「お兄ちゃん・・・」

しばらく沈黙が続いた。


~一方クロエは~



「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・やっと着いたわ・・・」

「もうこれ以上は動けないわね・・・」「ここで迎えを待ちながら眠ることにしましょう・・・」

クロエはそうつぶやくと眠りについた。

クロエ「あぁ、ギルス…最後にもう一度だけあなたに……逢いたかっ…た…」


ギルスとはクロエが付き合っていた恋人で、クロエよりも先に国から召集され帰ってきていなかったのだ。そしてクロエは深い眠りへと落ちていった。

ギルス「クロエ、お前はよくやったよ。」

クロエ「ギルス?!どうしてあなたがここに!!…そう……私死んでしまったのね」


ギルス「お前はよく頑張ったよ。それに、まだ死んじゃいないさ」

クロエは最後の力を振り絞って聞いた。

クロエ「ねぇ、最後にあなたの顔を見せて……」

ギルスはフードを外した……そこにはクロエがずっと逢いたかった顔があった。

クロエ「あぁ、やっとあなたに会えたわ……ギルス、愛してるわ」

そしてクロエは息を引き取った。

~一方アキラ達は~

ユイ「お兄ちゃん……」

アキラ「どうした?ユイ?」

ユイ「私たちこれからどうなるの?」涙ぐみながら聞いてきた。

アキラ「わからないな・・・でもきっと大丈夫だよ!」そう言って僕はユイを抱きしめた。

ユイ「お兄ちゃん……」

しばらくして、春姉達が帰ってきた。

アキラ「みんな無事だったんだね」

カズヤ「ああ、なんとかな」

アキラ「それじゃとりあえず今日は帰ろうか」

そう言って僕らは家路についた。

~次の日~

僕は朝早くから目が覚めた・・・そして気づいた

何かがおかしい。

新聞を見たが昨日から日付が変わっていなかったのだ。アキラ「これは一体・・・」

カズヤ「どうしたんだ?アキラ?」

ユイ「お兄ちゃん、どうしたの?」

春姉とクロニクルも起きてきた。

アキラ「みんな聞いてくれ。どうやら僕らは時空の歪みに入ってしまったらしい」

カズヤ「どういうことだよそれ」

アキラ「新聞を見たけど日付が変わっていない。それに、昨日から時間が進んでいないんだ」

春姉「なるほどね・・・」

ユイ「じゃあ私たちどうなるの?」


アキラ「わからない。でもきっと大丈夫だよ」

カズヤ「そうだな、なんとかなるさ」

春姉「そうね、まずは朝ごはんにしましょ」

ユイ「やったー!おなかすいた~」そう言ってユイはキッチンへ向かった。

~その頃~ラデストはクロエの亡骸を見て言った。

ラデスト「クロエ、お前はよくやったよ。」

そう言ってクロエの亡骸を埋葬した。

ラデスト「だが、君の犠牲があってやつらを私のもう一つの能力の時空間に取り込むことができた。

これで私の計画は成功するだろう。」

ラデストは不敵に笑う。

~次の日、アキラ達はギルドに集まった~

ユイ「お兄ちゃん、これからどうするの?」

アキラ「まずは情報収集だ。そして仲間を集めるんだ」

カズヤ「そうだな、それが先決だな」そう言ってカズヤは立ち上がった。

アキラ「カズヤ、どこへ行くんだ?」

カズヤ「情報を集めてくるよ」そう言ってギルドを出ていった。

春姉「私たちはどうするの?」

アキラ「とりあえず情報収集だ」

ラデストは黒いローブを纏い、フードを深く被っていた。

ラデストはギルドを出ると、アキラ達がいる宿へと向かった。

~その頃の春姉達は~

ユイ「ねえ、お姉ちゃん」

春姉「どうしたの?」ユイはあくびをしながら答えた。

ユイ「眠いから寝ていい?」眠そうに聞いてきた。

春姉「いいわよ。後で起こしてあげるわね」

アキラ「だめだ、今寝たら」

ユイ「お兄ちゃんどうして…」

アキラ「まだやつの能力はわかっていないことが多い、トリガーが睡眠をとることだとしたら、ユイだけが今の時間に閉じ込められるかもしれない」

ユイ「わかった。我慢する」

春姉「偉いわね。ユイちゃん」そう言ってユイの頭を撫でた。

~ギルドでは~

カズヤは酒場で情報収集をしていた。

カズヤ(やはりみんな時間が止まったことに気づいていないな)その後もしばらく情報を集めていたが、めぼしい情報は得られなかったようだ。その時一人の女がやってきた。その少女は言った。

謎の少女「やつの空間にやられたのね」

カズヤ「君は誰だ」

謎の少女「安心して、敵ではない。そうでしょ?アルルファン」

カズヤ「なんでその名を」

謎の少女「知ってるわ、人の取り込みに失敗したって聞いていたけど本当なのね」

アルルファン「もしかしてお主、グレンか」

グレン「あなたもわかるのね、私は悪魔族の戦士、そこのアルルファンが統治してた頃に右腕として働いていたのよ。」

アルルファン「しっかし、お主小さくなったのう」グレン「あなただってかなり若くなったんじゃない?」

グレン「あなたをそこまで若くさせるなんて相当な腕前のようね今の悪魔の王は」

カズヤ「あんたはなんでラデストの能力のことを?」

グレン「数百年前にそこのロリ魔王の命令でここの王について調べろって言われて

何も知らない私はラデストの能力範囲内に入ってしまって抜け出せなくなったってわけ」

カズヤ「ラデストの能力の範囲?」

グレン「そう、やつの能力は時空間を操る能力。つまり時間と空間を自在に操れるのよ」

アルルファン「なるほどな、それでわしらはあの空間に捕らわれてしまったのか」

グレン「そういうことよ。そして私はやつを倒すためにずっと準備をしていたの」

カズヤ「どうやって?」

グレン「それはね、やつの能力範囲外にある私の分身の力で時空間を捻じ曲げて脱出するのよ」

カズヤ「なるほどな、それでグレンはどうやって脱出するんだ?」

グレン「それはね・・・」そしてアルルファンとグレンは何やら相談を始めた。しばらくすると、二人の話が終わったようだ。

~その頃アキラ達は~

ユイが眠そうにしていたから僕はおんぶしてギルドに戻った。するとそこにはラデストがいた。


~あとがき~

毎回二話で一つの国を攻略していましたが、今回はかなりの強敵ですね

私はこの話の最後を固めすぎて途中の話を考えることが難しくなってきました。

ですが必ず完成させて見せます。目標は十数の国を旅する予定ですので

まぁ30話で終わるかどうか怪しいです。でも応援してくださっている皆様の期待に応えれるような作品を作っていくので、最後まで応援よろしくお願いします

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