第9話:自然の国 グライドン

「地域崩落部隊グライドン支部へようこそ。私の名はアレルグと申します。」


カズヤ「本部から来たカズヤです。」

春「春と言います。」

アレルグ「本部の方々をお待ちしておりました」

春はアレルグに、ここに来た経緯を話す。

アレルグは、話を聞きながら地図を指さす。

アレルグが指差した場所は、地下通路の入口がある場所だった。

アレルグの説明によると、その地下通路の入り口は、現在、敵のアジトの入り口となっていてグライドン支部の顔、声はリスト化され立ち入ることは不可能になっているらしい。そのため、地下通路から敵の本拠地に侵入するには、地上で仲間と合流し、そこから潜入するしかないというのだ。

カズヤは、説明を受けながらも辺りを見渡していた。

ここは、アレルグの部屋だと言うことはわかるのだが・・・・

???「気をつけろカズヤ。アレルグの言葉を簡単に信じるでないぞ」

カズヤ「お前はどこでも俺の心に話しかけるのか。」

???「用心するのじゃ。じゃ、わしはしばらく寝るからの」

アレルグ「部屋は用意しております。長い空の旅でお疲れでしょう、今日はゆっくりお休みください」


カズヤ(ふぅ、やっと横になれた。 うっ!また強い眠気が。。。)


またこの白い空間か

???「やっと眠ったか。」

カズヤ「お前は出てくるときこれ以外の方法はないのかよ」

???「お主もその口調はいつになったら直るんじゃ」

次の瞬間、カズヤは天井に吊るされているように逆さに浮いた。


カズヤ「なんだよこれ!まず、あんたを知らないのにどうやって敬えっていうんだよ。」

???「お主がそこまで言うなら教えてやる。ワシは悪魔の頂点に立つ者。名をアルルファン=フォウスという。」

カズヤは驚いているようだが、まだピンとは来ていない様子だ。

カズヤはその言葉を聞くと、さらに驚いた表情をした。

カズヤ(まさか。そんなことがあるはずがない。

この世界に来てからというもの信じられないことばかり起こる。

悪魔の王が心の中にいたなんて)

しかし、カズヤの心の中では信じたくない気持ちとは裏腹に、どこか納得している部分もあった。


今まで起きた出来事を振り返ると不思議と辻妻があった。

??改めアルルファンはため息をつく。

アルルファン「はぁ~。本当に何も覚えてないみたいじゃのう。

まあよいわ。いずれ思い出す時が来るであろう。

それより今はお主に頼みたい事があるのじゃ。

頼みというのは他でもない。最後の手段としてお主の体をワシに操らせてほしいのじゃ。

これには訳がある。この支部には敵の幹部の一人がスパイをしている。

それにそやつはわしらのように心に何かを住まわせておると思う」

カズヤは困惑しながらも話を聞いていた。

カズヤ(確かにその可能性はあるかもしれない。

ただ、俺はこいつのことを信用できるのか?)

アルルファンの話を聞いて少し考える時間が必要だと感じたカズヤは一旦この場を離れることにした。

カズヤは目を覚ました。

外を見るとまだ夜だ。

確かにあいつの力は俺の活躍にも役立っているが、、、

今はこの世界を平穏な世界に戻すためにも乗るしかないか、、、

そう決断し、また眠りにつき、アルルファンの元に戻った。

アルルファン「ワシの最後の手段に乗る決心はついたかの?」


カズヤは、決意を固めてアルルファンに向かって答えます。


カズヤ「ああ、分かった。この世界を守るために、最後の手段に乗ることを決めたよ。でも、あんたの真意を知りたい。なぜ俺に力を貸してくれるんだ?」


アルルファンはカズヤの問いに微笑みながら答えます。


アルルファン「そなたには強い力が宿っている。心の奥に秘められた情熱と覚悟が、この世界を救う鍵になると知っている。我々悪魔もまた、この世界の平穏を望んでおるのじゃ。故に、そなたの力を借りたいのじゃ。」


カズヤは言葉に深く感銘を受けます。彼は自分自身の力が世界を救う力となりうると信じていましたが、それが悪魔の頂点であるアルルファンに認められたことは、彼にとって大きな励みとなりました。


カズヤ「わかった。力を貸してくれ。そして、敵のスパイを見つけ出すために協力してくれ。」


アルルファン「よろしい。それでは、私の力を使って、敵のスパイを見つけ出す手助けをしよう。ただし、力を借りる際は常に注意しておることじゃ。悪魔の力は強大ながらも制御が難しい面もあるのじゃ。」


カズヤは頷きながら、アルルファンと手を組む覚悟を決めました。彼はアルルファンの力を利用して、仲間たちと共に敵のスパイを見つけ出し、グライドン支部の危機を救う決意を胸に秘めていたのです。


次の日、カズヤは仲間たちと共に地上に出て、敵のアジトの近くで待機します。アルルファンの力を借りつつ、周囲の気配を感じ取るようになっていたので、スパイを見つける確率が高まっていました。


しばらく待つと、怪しい人物が地下通路の入り口に近づいてくるのを感じたカズヤは、警戒を強めます。そして、アルルファンの力を使って彼の心の中に潜り込み、スパイである可能性を探ることにしました。


カズヤはアルルファンの力を借り、怪しい人物の心の中に入り込みました。その人物の心の中には不穏な気配が漂い、カズヤは彼が敵のスパイであることを確信しました。


カズヤ「これは……。アルルファン、彼が敵のスパイだよ。」


アルルファン「そなたの力を使って彼の真意を探ってくるのじゃ。慎重になるんじゃぞ。」


カズヤは慎重に情報を探り、その人物の目的がグライドン支部の情報を敵に渡すことであることを突き止めました。さらに彼の正体は、グライドン支部に潜入している者であることも分かりました。


カズヤ「彼の名は……ユウジ。あいつがスパイなんだ。」


春「ユウジ……そんな名前のメンバーはいないよ。」


カズヤ「きっと偽名だろう。あいつ、グライドン支部に潜入してるんだ。」


アレルグ「そなたの見立ては正確じゃ。ユウジが敵のスパイだということは重要な情報じゃ。」


カズヤはユウジの行動を監視し、情報の流出を防ぐために仲間たちに伝えました。彼らはユウジの動きに対抗するために計画を立てることにしました。


春「カズヤ、どうする?」


カズヤ「ユウジが情報を敵に送る前に、捕まえるしかない。でも一人で向かうのは危険だ。」


アレルグ「そなたが戦闘を担当するとき、私が力を貸してやるぞ。」


カズヤはアルルファンの提案に感謝し、仲間たちと協力してユウジを捕まえる作戦を立てました。アルルファンの力を借りることで、カズヤは更なる強さを手に入れ、ユウジとの対決に備えます。


ユウジの捕獲作戦が始まりました。カズヤと春は地下通路の入り口に待機し、アレルグはカズヤに力を送り込む準備を整えています。他の仲間たちはユウジが逃げ込む可能性のある場所を封鎖しています。


しばらくして、ユウジが姿を現しました。彼は情報を持ち出す直前で、カズヤたちに気付いたようです。


ユウジ「何者だ!?」


カズヤ「お前がユウジだな!情報を盗んでいたスパイだろう!」


ユウジ「くっ、ばかな……俺はただの通行人だ!」


ユウジは必死に嘘をつこうとしますが、カズヤはアルルファンの力を借りてユウジの心の中を読み取ります。


カズヤ「嘘をつくな!本当はグライドン支部の情報を敵に送り込んでいたんだろう!」


ユウジは逃げようとしますが、カズヤと春が追いかけ、他の仲間たちも合流してユウジを包囲しました。


ユウジ「仲間に裏切られたんだ……!でも、俺にも仲間がいたんだ!」


カズヤ「仲間って?」


ユウジは苦しい表情で口を開きます。


ユウジ「俺は……グライドン支部の仲間と共に生きるためにスパイをしていたんだ……。でも、その仲間たちが……もう、いない……!」


カズヤたちはユウジの言葉に驚きました。仲間がいなくなったというのは、敵の手によるものなのでしょうか?


カズヤ「ユウジ、もう一度やり直すことができる。俺たちは仲間だ。」


ユウジ「ありがとう、カズヤ。絶対に後悔させない!」


ユウジの笑顔が戻り、彼は心からの感謝を込めてカズヤに語りかけます。しかし、その時、アルルファンの態度が一変しました。彼は冷酷なまなざしでユウジを見つめ、口を開きました。


アルルファン「愚かなカズヤ。彼を許すなど、何を考えている?」


カズヤは驚きと疑問の表情を浮かべます。


カズヤ「アルルファン、なぜだ? 君がユウジを許すようにと言ったではないか。」


アルルファン「ユウジは敵のスパイだ。信じるなど愚かなことだ。彼はまた裏切るだろう。」


カズヤは混乱し、アルルファンの言葉に戸惑いながらも、自分の信念を取り戻そうとします。


カズヤ「そんなことは……ユウジが仲間を裏切るはずがない。彼は本当に悔いているんだ。」


アルルファン「カズヤ、愚か者め。そんな甘い言葉に騙されるな。彼は信じるに足りない男だ。」


アルルファンの声がカズヤの心を揺さぶります。アルルファンはカズヤの心の中にいる存在であり、彼の考えを強く影響する存在でした。カズヤは内心で葛藤しましたが、ユウジを信じるという決断を下します。


カズヤ「アルルファン、俺はユウジを信じる。もう一度仲間として受け入れるんだ。」


アルルファン「馬鹿め、そんなことを言っている場合じゃない。」


カズヤは心の中でアルルファンとの葛藤を抱えつつも、ユウジに手を差し伸べます。ユウジもその手を受け取ろうとする瞬間、アレルグが突如として現れ、凶器を手にしてユウジに襲いかかりました。


アレルグ「くだらん。こんなところでばれるなどお前もそこまでの男というわけかユウジ君」


ユウジが驚きの表情を浮かべる間もなく、アレルグの攻撃がユウジの身体を貫きました。ユウジは倒れ込み、血を流して地面に崩れ落ちました。


カズヤ「ユウジ!」


アルルファン「やはりな、わしの言った通りじゃ。」


アレルグ「改めて、ようこそ地域崩落部隊本部のみなさん。

そしてさようならこの地下迷宮型のわが世界から帰れるといいですね」


これは空間支配能力!!

アルルファン「それだけじゃない。この空間のやつの部下は人間以上の力を持っているとみていいだろう。。。」


アルルファンがカズヤに刀を授けると、カズヤはその刀を手に取り、アルルファンの力を借りながら敵の手下たちと立ち向かいました。刀はアルルファンの力を宿しており、カズヤの攻撃を強化しています。


カズヤは凄まじい剣技で敵の手下たちを次々と倒していきますが、彼らはアルルファンの能力を持っているために絶え間なく湧いてきます。戦いは激化し、仲間たちも次々とカズヤの元に駆けつけてきました。


春「カズヤ、手伝うぞ!」


アレルグの手下たちと戦う春に加え、他の仲間たちも力を合わせて戦います。しかし、手下たちの数は減ることはありません。カズヤは仲間たちに向かって叫びます。


カズヤ「みんな、敵を倒しても次々と湧いてくる!何か対策を考えないと!」


アルルファン「彼らはこの空間の支配力を持っている。いくら倒しても無駄じゃ。」


カズヤ「じゃあ、どうすればいいんだ?」


アルルファン「この空間を崩壊させるしかないのう。」


アルルファンの言葉にカズヤは戸惑いながらも、彼の意図を理解します。この空間が敵の手下たちを無限に生み出しているのなら、この空間自体を崩壊させればいいというのです。


カズヤ「空間を崩壊させる……それってどうやるんだ?」


アルルファン「わしの力を利用すれば、空間を弱らせることができる。そして、一気に力を解放すれば崩壊させることができるだろう。」


カズヤは迷わずアルルファンの提案に従い、彼の力を借りて空間を弱らせる準備を始めます。一方、仲間たちは敵の手下たちと必死に戦っています。カズヤはアルルファンの力を集め、その力を空間に注ぎ込みます。


アルルファン「さあ、放て!」


カズヤは力を解放し、空間に向かって強大なエネルギーを放出します。空間は揺れ動き、敵の手下たちも次々と消えていきます。しかし、空間の崩壊は思ったよりも難航しました。


カズヤ「まだ足りない……!」


アルルファン「根気よく、もう一度!」


カズヤは再び力をため込み、全力で空間にエネルギーを注ぎ込みます。空間は激しく揺れ動き、次第に崩壊の兆候が現れてきました。敵の手下たちも次々と消え、仲間たちもカズヤをサポートしながら戦いを続けます。


カズヤ「いくぞ……!」


カズヤが最後の力を解放すると、空間が激しく崩壊し始めます。壁や床が崩れ落ち、アルルファンの支配力が衰えていきます。敵の手下たちも消え去り、戦いの場は一変しました。


アルルファン「見事じゃ、カズヤ。空間の崩壊を止めるには、そなたの力が必要だったのう。」


カズヤ「みんな、無事か!?」


仲間たちも崩壊する空間から脱出し、カズヤに向かって笑顔を見せます。


春「カズヤのおかげで無事だよ!」


アルルファンの刀によって尋常じゃない力を手に入れたカズヤたちは

アレルグの空間支配を崩落させ、手下を一掃した。

ここからアレルグや幹部との激戦が始まる。


【あとがき】


今回は、地域崩落部隊グライドン支部の戦いを描きながら、主人公カズヤと仲間たちの成長と絆を描いてきました。


物語が進むにつれて、カズヤは自分自身の力だけでは限界があることに気づきました。そんな時、彼の心の中に住む悪魔の頂点アルルファンと出会い、彼の力を借りることでさまざまな困難に立ち向かいました。しかし、アルルファンの真意や信じるべき相手について葛藤する場面もありました。


仲間たちとの絆も物語の中心にありました。カズヤは春や他の仲間たちと力を合わせ、困難を乗り越えることで信頼と友情を築き上げていきました。


物語は、アレルグとの最終決戦へと続いています。カズヤと仲間たちは、自分の力と絆を信じて、グライドン支部を守るために立ち向かう決意を新たにしています。



読者の皆さんにとって、この物語が楽しい冒険と感動をもたらしてくれたなら幸いです。完結までお読みいただけるよう頑張りますので、これからもよろしくお願いします。





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