第5話:この世界の謎
俺こと神咲和也は入隊した真琴さんの助言を元に施設に監禁されている博士の元へ向かった。
ここが博士のいる場所か、なんか暗いな。
すると、奥のドアから大きな爆発音が鳴り響いた。
『し、失礼します…』
『おぉ、よく来たね。真琴の紹介だろ?
何やら崩落が人工的に起こせるのかって話だろう?』
全てもう話が通ってるらしい。
『おっと、自己紹介がまだだったな。私の名前はマルク。そう呼んでくれ』
マルクさんの話によるとここで10年間軍事武器を作りながら趣味として実験をしているらしい。
そして、俺はマルクさんに崩落があったこと、崩落の場所に人がいたことを伝えた。
『面白い謎だな、だがいい話がある。
さっきの実験で生み出した反重力玉だ。
地球にはいついかなる時もどんな場所でも等しく重力がかかっている。
でも重力に相対する物質を作るとどうなるか。そう、そこには大きな力が加わり膨大なエネルギーを生み出す。』
そう言って反重力玉を浮かせた箱の中に10cm程の岩を博士が入れた。その瞬間、岩は跡形もなく破壊され粉々になった。
とてもこの世とは思えない現象に春姉は腰を抜かした。
『この原理を利用すれば崩落を人工的に起こすことも可能だろうだが、こんな装置を作るのはかなりの資金が必要になる。となると、裏に大きな組織が絡んでいてもおかしくないだろう。
有り得るのは…そうだな政府そのものが崩落を望んでいるのなら組織に協力していたら崩落を起こすことも容易だ。』
確かにそれなら簡単だ。でも、なんで政府は崩落を望むんだろう
俺はそんなことを思いながら、博士にとあるお願いをしてその場を去った。
『ねぇ和也。さっき最後に博士に何を話したの?』
『あぁ、内緒。』
『もう、ケチ』
その後真琴さんにも伝え、艦長にも事情を説明したところ、専門の捜査隊を兼任することを許可してくれた。艦長には感謝しかない。
それから俺は真琴さんの部隊の自分の持つ部隊と奈都希さんの明秀を兼任してから2ヶ月がたった。
仕事も手についてきて皆から評価されるほど頑張っている。特に子供の頃から学んできた歴史が役に立ち、あの時遊ばずに勉強をしていて良かったと思っている。
すると奈都希さんが『和也くん、そこの資料。先祖の歴史書の1部だけど君の記憶と合っているか確認してもらっていいかな』と言ってきた。俺はもちろんと了承し、確認した。
底そこに記されていたものは、俺の学んできたことを全て覆すようなことばかり書いてあった。でも学んできたことは間違いじゃなかった。
どういうことかと言うと明らかおかしいと感じていたことが正しかったということだ。
『はい。全て正しいです』と答え資料を棚に戻した。
そしてついに人工的に崩落を起こしていると思われる組織Laves《ラヴィス》の近くの拠点と思われる倉庫を特定し、これから真琴さん率いる分隊の豪傑や春姉、隊長の奈都希さんと共に倉庫に突入する作戦を立てた。
ついにあの日から2ヶ月経ってやっとの進歩だった。
7月8日。突撃の命令が艦長より出された。
車に乗ろうとした俺を博士が遠くから呼び止めた。
『おーい。和也くん、君の要望何とか間に合ったよ』
博士に頼んでいたものが入ったポーチを俺は受け取り車に乗り込んだ。
総勢20名ほどの相手に対すると少ないかもしれないがそのほとんどが戦闘経験の豊富な豪傑の隊員だ。あまり不安は抱えていない。
一方その頃博士は俺のもうひとつの頼みである、雅人の遺体の検査を進めていた。それを見て博士は驚愕した。ありえない結果が出たのだ。
しかしその結果が出たのは俺が出発した日の夜のことだ、言おうにも言えなかった。
倉庫についたのは次の日の早朝。まさか早朝から警備しているとは思っていなかったが、倉庫の入口前には厳重に装備を固めた警備隊が5人ほど出てきていた。
組織から情報が漏れたとは思いたくなかったので、豪傑の隊員が正面から交戦する間に我々本部隊は倉庫の上から忍び入り、中に潜入した。
外とは裏腹に倉庫の中は誰も警備をしておらず、反重力玉のようなものはなかった。
『やはり気づかれていたか、内通者がいるのか信じたくはないが…』真琴隊長のその一言で目が覚めた。
真琴さんの地面蹴りで床に空洞音がなっていることに奈都希さんが気づき、まだ地下が存在することが判明した。
だが俺は春姉や奈都希さんには戻るようお願いした。
『どうして。なんでここまで一緒に来たのに。』2人から同じことを言われた。
そして俺は2人に向かってこう言った。
『ここから先は誰も安全を保証できない。
それに2人は部隊の隊長を担っているが戦闘経験が豊富なわけじゃない。これを理由に俺は2人をこの先へは行かせたくない。頼むこれ以上俺に仲間を、大切なものを危険にさらさせたくないんだ。』
『なら私たちのことを信じることも大切じゃない?こう見えても私この業界に何年居たと思ってるの?』
『そうですよ。私たちだってやる時はやりますよ!』
彼女たちの目はとても光り輝いていて美しかった。
『分かった。だが、無理だけはしないでくれ。』
『言われなくても分かってるわよ。早く行きましょ』
すると、真琴さんが近づいてきて。
『女は人に心配されると嬉しいがすこし信用されてないのかなって気持ちになる。だから守りたいなら自分の力で守れ!』
そして地下へ続く階段を降りた一行。とても長い階段に疲れ始めていた。
『も、もう。何段あるのよこの階段。下りとはいえ多すぎるわ』
弱音を吐く人もいた。
その度、『こらえろ。ここまできて引けるかって』
そしてついに大きな広間に出た。
俺たちが広間に着いた瞬間に光が灯り、そこにはたくさんの重装備の敵がいた。
『総員!戦闘態勢!!』
真琴さんの一言で全員の心が繋がってるかのように武器を構えた。
『これが、真琴さんの信頼する部隊…』
俺は正直驚愕した。
『撃て!』真琴さんたちは容赦なく敵を倒した。
『これが組織の戦闘部隊?大したことないな。』
フラグが立った…
『さすが政府の戦闘組織だ。我々の部下たちを一掃するなんて、まぁいいでしょう。さぁ!皆さん、寝てる暇は無いですよ。起きてください』
黒いローブを着た敵の幹部らしき男のその一言で倒したはずの敵が全員起きた。
変だと思った俺は彼らの目を見た。
真っ赤に染っていた
『はいフラグ回収…』
『クソっ、倒しても倒しても攻めてくる。キリがねぇ。まこっさん!その人たちを連れて行ってください!ここは俺たちが食い止めるっす』
『だめだ!部下を置いてなんて上司がするべき行動じゃない!』
『でも、部下のおねがいを背くのは上司が取るべき行動じゃないんじゃないですか?』
真琴さんは歯を食いしばり、『必ず生きて合流しろよ』とポツリ言うと、俺たちを連れて下を目指した。
階段を降りている時真琴さんの目を見ると涙を流していた。苦渋の決断だったのだろう
その時さらに俺の苛立ちは増した。
あいつらがやってる事は人殺しとほぼ変わらない。部下を無敵の兵器のように痛覚を無くすなんて、部下にも愛するものがいるのにとも考えた。
〜〜第6話へ続く下にあとがき続く〜〜
誰もが感じたことがあるだろう。あの人はなんのために死んだのだろうとか。でも必ず生命が生きるのに意味があるようにその人にも意味がある。誰だってその時がやってくるし、その時を予想することなんて出来ないんだ。でも予想しながら生きてたって楽しいこと嬉しいことなんて考えれないでしょう。
だからまずは人生を諦めず生きることを努力して欲しい。
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