第4話:新たな出会い

春姉さんに言われるがまま施設に来たのはいいものの、凄すぎる…

『は、春姉。ずっとこんなところで働いてるの?』

『え?あぁ、そうよ。どう驚いた?綺麗で大きいでしょ』

『べ、別に、地元にもこんなところあったし…』

何言ってんだ俺、あるわけないじゃんこんなところ。歴史の勉強の時の先祖の建物の比にならねぇぞ。


『ただいま戻りました、艦長。』

『おぉよく戻ったぞ春よ。で、その子が裏路地崩落にいた男の子か。』

誰だよこのおじさん。

『ん?あぁ神咲さんのところの子か、よう生きとったのよかった。』

『え?克彦かつひこおじさん?』

『そうじゃよ、あまりに老けたからわからなかったかの?それはそれで悲しいぞ…』

『あら、和也には言ってなかったかしら。私の父、地域崩落保護部隊の総司令官克彦艦長よ。』

そう。この人は克彦おじさん、生まれたての時からずっと写真には映っていたおじさんで、話でしか聞いたことがなかった。


『春姉には言ったけど、政府の話の役に立つ気は無いからな』

『分かっておる。そこは全部隊にわしから言っておこう。』『うん。ありがとう』

『さぁ春。和也くんを宿に案内するんだ』

『言われなくても案内しますよ。さっ行きましょ』

『あ、そうじゃ和也くん。』

『ここはここの地域で最も安全な場所じゃ。ゆっくり傷を癒すんじゃ…女は連れ込むんじゃないぞ?w』

『はぁ?そんなことするかよ!』

春姉はクスクスと笑っていた

『春姉も何笑ってんだ。早く案内してくれよ。』『いや〜ごめんごめん。案内するよ。』

ここからまた新たな生活が幕を開けた。


『着いたわよ。ここがあんただけの部屋、好きに使っていいわよ。』

『…春姉。』『なに?』『あ、ありがとな。気を使ってくれて』『フフッ、気にしないで』

ドアが閉まり、1人だけになった。その瞬間涙が零れた。抱えていたものが全て出たのだ。

『ううっ、なんで。どうして俺だけを助けた!春姉…雅人だって助けれたんじゃねぇのか!』

なぜか俺はその時春姉に当たってしまった。今ならわかる春姉は悪くなかった。


『ごめんね…ごめんね…和也…』


あの人同じように俺はとある言葉で目覚めた。

すると目の前には春姉がいた。

『うわっ!春姉。何入ってきてるんだよ』

『あっおはよ。よく眠れた?』

『あ、うん。ありがとう』『それはそうと和也、』

『ん?』『なんでズボン脱いでるの?』

『おわっ。なんで脱げてんだ。』春姉が笑った。春姉が心の底から笑っているところは初めて見た。


『なぁ、春姉。本当は雅人も助けれたんじゃないの?』『…』『実はあの時、和也達とは違う人の気配がしてたの。だから警戒はしてたんだけど気づいた時には裏路地は崩落、和也の友達は…』

『やっぱり後ろからの人の気配は春姉にも気づいてたのか』『え、えぇ。』

『よし。決めた!俺も部隊に入隊させてくれ。』『はぁぁ?あ、あんた何言ってんのよ、この組織の入隊試験は厳しすぎる。運動も全然してこなかったあんたなんてもってのほかよ。それにあんたは自分で組織には関わりたくないって言ってたじゃない』

『確かにあの時は言った。強がってた。でもここまでされたら恩は恩で返すべきでしょ?それにその実態を見たんだ。俺も役に立てると思う。』

『まぁ私が了承しても、艦長がなんて言うか…』

『いいだろう。入隊したまへ。』

かなりあっさり入隊できることになった。

『部隊はどこに配属されたいかな?』『部隊?』『ワシらの組織は部隊に別れている。春が率いる崩落をメインに活動する部隊、そして、世界の治安を取り締まる部隊、隊長が。おいたあの人じゃ』

『あれー春じゃないか、任務から戻ったのかい?』『はぁ、だるいやつが来ちゃったわ』

『紹介しようそのさっき言った部隊の隊長をしている真琴まこと隊長だ』

『君が春が連れてきた子かい?女の子って思ってたのに男の子か。これじゃあ春の部隊に行くのは辛いだろう』

『なぁおじさま、どういうこと?』

『春の部隊は女性率が高いのじゃ』『な、なるほど』

それから俺は真琴さんの率いる部隊に配属されることとなった。

そして、なにかの気配についても話した。

『真琴さん。もし、崩落が人の手によって生まれたものだと言う可能性はないのですか?』

『分からないね、俺は治安メインだ。崩落は春の部隊のメイン業務だ。』

やはり配属先を間違えたな。そう思った時

『そうだ和也くん。俺の友人に会うといい、研究が好きで色々知ってるから何かわかるかもしれない。』

真琴さんが言うに、その博士はこの施設に監禁されており、組織のお金で色んなものを発明しているらしい。


『その前に、うちの部隊のメンバーを紹介しよう。主力メンバーは5人さらにそこから分隊で20人程度に分かれている。首席から力が全ての豪傑、知識に優れた明秀めいしゅう、作業をこなす達人、作戦を考える策士、潜入捜査メインの欺者ぎしゃだ。』


教えて貰いながら連れてこられた場所。そこには大きな門があった。

何故かと聞くと、それだけ身長が高い人が配属されているらしい。

『帰ったぞ〜。』

『お、おかえりなさいませ隊長。』

そこには一人の女性が本を持って歩いていた。

『あれ?今日は奈都希なつきくんだけか』

『えぇ。みなさん仕事を終えて任務に出ています。』

僕が誰かと聞くと。この人が明秀を率いる分隊の隊長奈都希さんと言うらしい。

とても綺麗で可愛い人だ。

『そうだ!和也くんは歴史を勉強してたんだってね!頭がいいだろう。明秀に入るのはどうだ!』『えっ。』

『いいよな!』

『あ、はい。まだ人手も多い訳では無いので、人が増えるのはありがたいです。』

ということで隊長の勝手で明秀に入ることになった。

その後の知識テストを受け。なんと初日から副隊長に任命された。

それから俺は春姉と一緒に真琴さんに教えてもらった博士の所へ向かった。


〜〜〜第5話へ続く〜〜〜

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