(/ω・\)チラッ
シオンは膝を抱えていじけていた。地面にののの~と、文字を書いていた。
ボソボソッ
「うふ、うふふふ…………みんないいなぁ~神器とか聖剣とか魔剣とか持ってて、いいなぁ~」
るーるーーるるる……………
「ええっと、シオンお姉様?」
「えっ?シオン知らなかったのか?」
アセッ!?アセッ!?
二人は焦った。
「いいなぁ~私には無いしなぁ~」
(/ω・\)チラッ
「うぐっ!?」
「そ、それはその………」
メソメソと、いじけているシオンは第三者から見れば、めんどくさい存在であったが、シオン愛(ラブ)の二人は冷や汗を欠いていた。
「どうして私にはないのかなぁ~」
(/ω・\)チラッ
ダラダラ………
ダラダラ……………
二人は、いや王子を含めれば4人は冷や汗が止まらなかった。この4人はシオンが前世の記憶を頼りに内政チートに励んでいたとき、帝国の巨大ダンジョンに潜り、それぞれ特別な武具を手に入れていた。
しかしそれはシオンが領内が豊かにしようと新しい事に挑戦していたとき、自分達に出来る事を探した結果であった。
シオンの求める素材は一般的には出回らないものばかりの為に、船で外国から仕入れたり、ダンジョンでそれっぽい物を見掛けた情報があれば潜って探してくるようになったのだ。
元を辿ればシオンの欲しい素材を求めていた経緯で手に入れたものである。シオンは自分の欲しいものを、みんなが苦労して持ってきてくれた事を知らなかった。お金を積んで探してきてくれたとしか聞かされていなかったのだ。
まぁ、シオンに心配を掛けたく無かったと言う事があったのだが………
「フレイアお姉様の魔戦斧は知っていましたが、みんなが持っているのを隠していたのは酷いです!私だけ仲間外れなんてみんな嫌いです!」
目に涙を溜めて叫ぶシオンに一同はジャンピングDO☆GE☆ZAをした。
「「「すみませんでした!!!!」」」
なんだこれ?なんだこれ?傍目からみると異様な光景であった。
「グスッ………私も欲しいです」
(/ω・\)チラッ
ドキュンーーーー!!!!!
涙目のシオンを見た王子二人と姉妹達は心に誓うのだった。
「よし!我が嫁よ!私に任せるがよい!シオンの為なら、世界を滅ぼすとまで言われる最強最悪の神武『ラグナロク』でも見つけてやるから!」
「バカかレイン、シオンには俺がピッタリ似合う高性能の武具を探してやるぜ!」
「いいえ、シオンお姉様に最適な神具は私が見つけてみせますわ!」
なんか神武とか神具とか『神』が付くと凄そうに聞こえるから凄いよね!
「確かにそうだな。そろそろシオンの専用のレア武具を用意しても良い頃だ。取り敢えず、このドラゴンの素材を持って帰還するぞ?」
いち早く立ち直った?フレイアが仕切ってドラゴンの解体した素材を収納袋にポイポイと入れて地上へようやく戻るのだった。
地上へ戻ると大騒ぎになっていた。
「騒がしいね?」
「ああ、そうだな」
シオン達が帰還すると学園の教師がやってきた。
「レイン君にシオン君達!大丈夫だったかい?ダンジョンで大規模な地震が発生したため、生徒達を脱出させていた。深層にいた君たちが最後だ。怪我はない?」
初級ダンジョンに入る時はキチンと、入った時間と名前を書いて受付に提出しているから、誰が帰還していないのかわかる仕組みだ。
「大丈夫です。それより大変なんです!」
シオンは深層で起こった事を話した。
「ば、バカな!?ドラゴンだと!!!!」
あっ、声がでかい!
ザワッ
ザワッ
「あっ………」
『ドラゴンだって』
『マジで?』
『嘘でしょう!?』
教師はしまったと言う顔をしたが、もう遅かった。そこにフレイアが言った。
「まぁ、遅かれ早かれわかる事だ。オーイ!みんな、聞いてくれ!」
フレイアは大きい声で周囲に言った。
「私達は初心者ダンジョンの最下層10階にいたのだが、ボス部屋の壁が割れてドラゴンが侵入してきた!」
ザワザワッ
ザワザワッ
「しかし、安心して欲しい!3体ものドラゴンは既に我々が討伐した!」
『マジかよ!?』
『嘘でしょう!』
周囲の反応は半信半疑と言った感じだった。
「嘘ではありませんよ!証拠があります!」
マリアが収納袋かドラゴンの素材を出した。
「「「うおぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!!!!」」」
ドラゴンの素材を見て生徒達は初めて本当だと認識して叫んだ!
そして、先ほど以上の大騒ぎとなったのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます