私も欲しいのよーーーーー!!!!!
ドラゴンが現れて、シオンだけが取り乱していた。
「ねぇ!どうして逃げないのよ!?」
みんなは、壁から現れたドラゴンに意識が集中していた。
「逃げるって?シオン?」
「残念だが私の嫁であるシオンの願いでも聞けないな」
ガイアとレインは剣を構えてドラゴンが出てくるのを待っていた。
「な、なんで………?」
シオンが問い掛けるとフレイアが答えた。
「シオンは、研究室でファーレンド公爵家の利益になる研究をしていたから知らなかったか?ドラゴンは宝の山なのだ。鱗から角、牙、血肉全てが高値で取引されるのよ」
いや、フレイアお姉様よ。知っているよ?それくらいは?私が知りたいのはドラゴンなんて強力な魔物なんて倒せないでしょって事なのよ?
シオンは脳内で葛藤しているとき、壁から遂にドラゴンが現れた。
しかも3体もだ。
「は、早く逃げましょう!?死んじゃうわよ!」
「何を言っているんだ?これはラッキーだろう?」
レインの言葉にシオンこそ、オマエハナニヲイッテイルンダ?とツッコミたかった。
「レインの言う通りだ。少々小ぶりだが、ドラゴンには違いない。1人一匹ずつ狩るぞ!」
「「了解!!!」」
フレイアの言葉に二人の王子が呼応した。
「ちょっ!?みんな!」
シオンは止めようとしたがマリアがシオンの手を握った。
「シオンお姉様、見ていて下さい。あの人達の強さを」
!??
シオンは不安ながらも三人を見送った。そして各々がドラゴンとぶつかった!
「我が相棒よ!今こそ真の姿を見せろ!」
【解放】(リリース)
フレイアの呪文とともに『魔戦斧ディザスター』が姿を変えた。過度と思われた装飾品がフレイアの身体に纏まり付き、鎧へと変貌した!
そして、魔戦斧はシンプルな姿に変わり両刃のハルバートのような形となった。
『久しぶりだなフレイアよ。今回の相手はあのドラゴンか?少しもの足りないな』
魔戦斧ディザスターは意思を持つ武具であった。普段は眠っており、解放された時に目覚めるのだ。
『ここは妹のシオンも見ている。本気で行くぞ!』
『ふっ、了解した。我が力を使うがいい!』
フレイアが魔戦斧ディザスターを振りかぶった。ドラゴンは強靭な牙でフレイアに噛み付いてきた。
グルルルルッ!!!!
「はっ!」
ドラゴンの噛み付きをジャンプで避けるとフレイアはそのままディザスターに魔力を込めて斬りかかった!
「秘技『黒龍牙』」
戦斧から黒い炎が発生しドラゴンの牙の様な形になった。
一閃
ドラゴンの首に振り下ろされた刃が一撃で首を跳ねた。
「こんなもんだな♪」
フレイアは上機嫌で言うのだった。
そして同じくレインは─
「力を制限していた封印を解放する!」
【解放】(リリース)
「顕現せよ!光の聖剣バルムンク!」
レインの手には両手剣が握られていた。
グオォォォォォォォオオオオオオ!!!!!
ドラゴンが炎を吐いた!
「ふっ、そんな攻撃など効かん!」
光の結界が炎を防いだ。
「さっさと消えろ。『光刃』!」
レインの光の刃は炎を切り裂き、ドラゴンを真っ二つにしてしまった。
「まっ、こんなもんだろう」
そしてガイアは─
「まったく……あの紛い物王子と同じく力を制限されるとはな」
後に話すが、この二人は力があり過ぎる為に力を制限されているのだ。
【解放】(リリース)
「顕現せよ!炎の魔剣レーヴァテイン」
ガイアにもドラゴンが炎を吐いた。
ゴゴゴゴゴッッッ!!!!
ガイアはまともに炎を受けてしまった。
「はははっ!なんだ?このぬるい炎は?」
ガイアはレーヴァテインを構えて言った。
「………本当の炎ってヤツを見せてやるよ」
ドラゴンの炎が魔剣に吸収されていった。
「喰らってみな。『白焔』(しろほむら)!!!」
グガッ………
ガイアの白い炎はドラゴンの炎を飲み込み、ドラゴンを黒焦げにして倒してしまった。
「やべっ、久しぶりだから力の加減ミスった」
三人ともほぼ同時にドラゴンをあっさりと倒してしまった。
「はっ?」
シオンだけは事態についていけずポカーンと唖然としていた。
ナニコレ?聖剣とか魔剣とかって、異世界転生のチート能力の1つじゃない?なんで私には無くて、婚約者とか周りのみんなが持っているの?なんで?なんで?
「シオンお姉様、大丈夫ですか?」
そうだ!マリアがいたんだった!マリアだけは私の味方だよね♪
シオンがマリアをみると固まってしまった。マリアの手に見たことのない杖が握られていたからだ。
「マリア………そ、それは?」
「これですか?一応、心配だったので、保険で出して(解放)おいた『光魔の杖』ですよ♪」
ノォォォォォォォオオオオオオ!!!!!!
なに当然の様に大魔王クラスが持っている杖を手にしているのよ!
えっ?マジで私だけチート武具なし?
誰か!私にもチートの武器プリーーーーーーズ!!!!!!!
私も欲しいのよーーーーーーーーーーー!!!!!!!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます