第134話 未来ARの体験型FPSゲーム⑤-最終戦作戦会議-
アイテムの割り振りも決まり作戦会議。
ハンデ内容的にも配信時間的にもこれが最後の戦い。
スタッフからのお願いだから勝ってくださいという念押しもある。
一部のアリスの熱狂的なファンがいて、自作した団扇やタオルを持って観戦しているスタッフもいるが気にしてはいけない。桜色セツナの首にアリスさんタオルがかかっていても無視だ。
翠仙キツネは本気で真宵アリスに勝つための作戦を発表する。
翠仙キツネ:「あーまずごめんなミサキチ。他に使える奴がおらんからスナイパーライフルを押し付ける形になって」
七海ミサキ:「いえ。自分の世界に入り込んで、遠くからズドンというプレイスタイルは好きなので」
翠仙キツネ:「本当なら一番強いのにな……スナイパーライフル」
七海ミサキ:「アリスちゃんはスナイパーライフルも察知したうえで斬りますからね」
本来ならば花形とも言えるスナイパーライフル。それを外れ武器扱いしなくてはいけない状況に頭が痛い。有効活用できるのが七海ミサキしかいないのだ。他のメンバーに乱戦でも援護射撃できる技量はない。
翠仙キツネ:「それからセツナちゃんもシールドでアリスちゃんの足止めできるか? 本当ならセツナちゃんの場所にグレネード持ちを配置したいんやけど、その一手が足りひん。これだけハンデもらって情けないけど」
桜色セツナ:「大丈夫です。最後の砦は任せてください。それにミサキさんの援護射撃もありますし。作戦の肝は索敵部隊です。索敵部隊が倒されたらアリスさんの奇襲に備えなくてはいけない。レーダーなしで戦えばどうなるのか第三戦で思い知りました。人数も装備も索敵部隊に集めるのは妥当だと思います」
翠仙キツネ:「理解してくれてありがとうな。では第四戦目。作戦名は『オルトロスと爆弾亀』や。部隊三つに分ける。ここまではええな」
紅カレン:「はい! ネーミングセンスに対してのツッコミは!?」
翠仙キツネ:「茶化すなドアホ! ウチも配信のことを意識して作戦名を考えてんねん! おほん……まずオルトロス部隊。蛇の尻尾がスナイパーライフル持ちのミサキチ。胴体がシールド持ちのセツナちゃん。双頭がガトリング持ちのカレンとレナ先輩や。四人は中央広場で陣を敷いて待機。アリスちゃんが中央広場に現れたらガトリングでクロスファイア。もしもクロスファイアを抜かれそうになったら、セツナちゃんが逃げ道に蓋してクロスファイアの餌食にする。ミサキチは狙撃できるんなら、どのタイミングでもええ。援護射撃頼むで。わかったか」
四人:「「「「はい!」」」」
翠仙キツネ:「それで爆弾亀やけどこれは索敵部隊や。西エリアに突入してでアリスちゃんを炙り出す。さっきセツナちゃんが言った通りや。アリスちゃんを捕捉できないのが一番怖い。不意をつかれたら万全の陣を敷いても抜かれることがあるからな」
白詰ミワ:「同意ね。姿が見えない。どこから奇襲を受けるかわからない。その緊張で疲労感も増すし、対応も遅れる。リアルに近づけば近づくほど、索敵の重要性が増すのね」
翠仙キツネ:「せやな。部隊構成はレーダー持ちのミワ先輩。グレネード持ちのスズカ先輩。シールド持ちのユイ先輩。この三人が爆弾亀一。レーダー持ちのウチ。グレネード持ちのヴァニラ。シールド持ちのアオリンで爆弾亀二。期生で分けたけど、この方がええやろ」
胡蝶ユイ:「だね。ロールプレイもしやすいし」
竜胆スズカ:「ランランやる気だね。じゃあ設定はバディモノで」
白詰ミワ:「……あなたたち私のことをちゃんと守ってね?」
翠仙キツネ:「もう一回言うけど爆弾亀は索敵部隊や。アリスちゃんを深追いしたらあかん。レーダーでアリスちゃんを補足して全体に通達。潜伏してそうな場所にグレネードを投げて炙り出す。シールド持ちが強襲を防ぐ。この繰り返しや。アリスちゃんをオルトロス部隊の陣がある中央広場に追い込むが仕事やからな。シールド持ちがヤバそうなら、グレネードでバリア張ってカバーするんやで」
碧衣リン:「了解。私の銃と剣の二刀流が唸る」
黄楓ヴァニラ:「大丈夫。味方にグレネードを投げつけてバリアを張るのは慣れたから」
翠仙キツネ:「……なんでウチら二期生の回答はズレとるんやろうな? 本番ではしっかりやってくれるからええねんけど。さて絶対に勝とうな。たぶん本当に後がないで! せーの!」
全員:『我らに勝利を!』
:砂はミサキチか
:他に適役がいないからな
:作戦名『オルトロスと爆弾亀』
:いい中二感
:ツネちゃんは永遠の中二病
:まあ配信用に見所を用意する必要あるから(震え)
:即座に茶化すカレンw
:作戦がガチで堅実すぎる
:本当に勝ち狙っているな
:広い場所でガトリングのクロスファイアはえぐい
:蓋役に砂まで配置しているし
:亀も固すぎる
:索敵部隊が硬すぎて草
:レーダーあるしシールド持ちもいるから奇襲できないな
:張り付かれたらグレネードバリアか
:フレンドリーファイアなしはやっぱり反則だな
:事前アイテム配布に至ってはもうチート
:それに対抗するのは近接武器しか持てないうえペンライトダガーに格下げされた真宵アリス
:ここまでやらないと勝負にならないのか
:第三戦で判明したけど最初からレーダー装備で常に真宵アリスの居場所を捕捉できていないと勝ち目ないからな
:完全に対プレデターなゲーム
:果たして人類はこのままメイドロボに駆逐されてしまうのか
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