第23話 えっ!!2億!!??

 俺が?

10歳の俺は、今の俺より、もっと状況を理解できていたのかな……

なのに、今の俺は、この期に及んでも まだ、これはどっきりを仕掛けられてるんじゃないかって思ったりしてしまっている。

「あの、じいちゃん、これ、マジな話?だって、俺、なんの才能もない平凡な人間なんだけど」

「才能か。どんな才能があれば、ゆめあやつりが出来るようになると思う?」

「わかんない」

「私にもわからない。チカラを持てなかった直大には才能がなかったのか、持つべき資格がなかったのか。

私がチカラを持てたのは何故か。

奏大が持てたのは何故か。

ただ、言えるのは、夢操人の血が流れているということ。

その血が流れていても、チカラを発現する人、しない人がいるということ。

それは、その人の意志や才能などなんの関係もないということ」

血が流れている……

「奏大がやった ゆめあやつりは、誰に頼まれた訳でもなくて、私利私欲があった訳でもない。

まぁ、試したというところだな」

「あぁ、そう。全く意味分かんないから、柊矢と朱里ちゃんは、あ、友達なんだけど、無意識で入っちゃって、大学のサークルの3人は、意識的に入った。で、学食のおばちゃんとかアイドルとか無理ってわかって、初対面のテニスプレイヤーの田鍋には俺を印象付けて、夢に入れるかなと思ったら入れて、そこで黒いマントの人と出くわして、そうじんか?って聞かれて、俺なんも答えられなくて、ドンって押されて、夢から出された」

息継ぎもしないで一気にしゃべった。

「奏大は、その田鍋を勝たせようと思っていたんだな?」

「うん、そう。でも負けた」

「対戦相手は誰だった?」

「えっと、スコルツなんとかって、ドイツの選手。その大会で優勝した人だった」

「全豪オープン、その大会で、優勝したら、賞金はいくら貰えると思う?」

賞金……

大会で勝てば賞金が貰えるのか。

「全然そうゆうの知らなくて。えっと~、そうだな~500万とか?」

「日本円で2億3千万円くらいだな」

「えっ!!2億!!??」

「そう。2億。テニスやゴルフは賞金が高い。

しかも、サッカーやバスケみたいに大勢で動き回るスポーツより操るのが楽だ。

夢操は、ゆめあやつりをして報酬を得ているのだな。

政治、経済を操るよりも、マシな方だな」


 もう、今日は遅いし、話の続きは明日にしようと言われ、寝ることにした。

このお屋敷には部屋がいくつあるんだろう。

おやじ、おふくろ、俺って、それぞれ別々の部屋に案内された。

和室の10畳くらいの部屋に布団が敷かれていた。

この部屋だけで、俺のアパートのすべてが入ってしまうかなって感じ。

寝ろと言われたが、なかなか眠れなかった。

長距離の移動で、身体は疲れているけど、頭はいろんなことが処理しきれてない感じ。

結局、なんなんだ?ゆめあやつりって。


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