第13話 頭ん中にデスノートがあるみたいだな

 夢の内容が正夢になった……


なかなか泣きやまない朱里ちゃんを慰め、励まし、アパートに帰ってきたのは1時過ぎだった。

マジで疲れた……


実験

ただの実験なら、柊矢と同じでよかったのに……

つまりハッピーエンドの話で。

立て続けに朱里ちゃんも結婚するなんてことになったら、もうそれは疑う余地なし!ってなったのに。

俺は、柊矢とは逆パターンをやってみた。

100%正夢になるなんて思ってなかったけど……

朱里ちゃんを失恋させたのは、俺と同じ目にあえばいい!!って、俺の中の邪悪な部分がそうさせたんだ。

ごめん……

そんなこと言ってもどうにもならないけど……

人を不幸にさせるのは良くないな……

結局、自分に返ってくるような気がする。

ってゆうか……正夢になったんだな、マジで……




 この何日か、夢をみなかった。

朱里ちゃんのことがあって、俺自身 夢をみたくないと思っていた。

もしかして、コントロールできんのか?

だとしたら、すげー恐ろしい力じゃね?

例えば、気にいらないヤツがいたとして、そいつに事故る夢をみせたら、現実に事故るってことだろ!!

マジかよ!!

頭ん中に、デスノートがあるみたいだな!!

他人の夢を操れるチカラなんて、これ地味に無敵なんじゃね?

いや、いや、いや、そんな訳ねーよな?

だって、なんで、そうなった?

俺は超がつくくらい平凡な男だぞ!!

そんな超能力を与えられるような人間じゃないんですけど~!!


いや、でも、これは、もう少し検証してみよう。

不幸にさせるんじゃなくて、そうだな~ロトで5万当たった!くらいのぷちラッキーを、サークルの奴らで試してみよう。

じゃ、今夜はバスケサークルのキャプテン、郷田の夢に入ろう。


次の日。

俺はたまにしか顔出さないけど、バスケをやりに体育館へ行ってみた。

「お!操人!いい時にきたな~!」

みんなが笑顔で俺をむかえてくれた。

「郷田がロトで5万当たったんだってよ!!」

「軽いおすそわけだわ!!」

郷田はそう言って、クーラーボックスからポカリとクーリッシュを出してくれた。

わ!なんて、いい人!

5万当たった!ってとこまでが、俺のシナリオ。

当たったとしても、黙ってるかもしれないし。

最近なんか良いことあった?なんて聞いてみようかって思ってたくらいだった。

聞くまでもなく、郷田の夢は正夢になった。


次の日、続けて高橋と横地にも5万当たった夢をみせた。

2人とも、郷田にあやかって初めてスクラッチ買ってみたら大当たり!!って喜んでいる。

みんなに、マックおごってくれるって。


これ、簡単に金が手に入るじゃん!!

俺も宝くじ当たった夢をみようっかな。

3億円とかマジで当たったらどうしよう!!

そんなことを考えながら、眠りについた。


結果、夢はみれなかった。


何日か試したけどダメ。

自分自身の夢には入れないのか~!!

使えね~!!







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