第3話 わ!俺 当分エッチできないの?

 コンビニに寄って、今夜の夕食に食べる用に、弁当とパンと飲み物を買った。

チャリを漕ぎながら、あ~こうゆう時はやけ酒とか飲んでみるのもいいか~、なんて思いついて、さっきとは違うコンビニへ行ってみた。


あれ、あれ、あれ、あれ!!

ちょっと待って!!

今日って、俺 誕生日じゃん!!

ウソだろ!!

はたちの誕生日前日にフラれるとかある?

これ、ワザと?

去年の誕生日は、亜弥が俺のアパートに来て、手料理を作ってくれて、買ってきたケーキを二人で食べて、そのあとヤリまくったんだよな~。

わ!俺 当分エッチできないの?

きっつい!!


はたちの誕生日、自分自身を祝ってやらなきゃ かわいそうな気がした。

ビールは、今日は高いやつにしよう!

エビスの500ミリ缶を2本買った。

ケーキを買おうかと思ったけど、なんだかちょっと虚しい気がして、シュークリームを2つ買った。

わ!なんか普通に2つ買っちゃった。

亜弥の分 って……


ってゆうか、マジで別れたの?

なんか、まだ実感がない。

これ、俺の誕生日をお祝いするためのサプライズ演出だったりして。

いったん落としておいてからの、どっきり的な?

なんか、亜弥ならやりかねないな!

マジで、そんな気がしてきた!!

早く家へ帰ろう。


アパートに帰ってきたのは、5時ちょい前だったけど、もうだいぶ暗くなっていた。

駐輪場の蛍光灯がチカチカしていてウザい。

大家 交換しとけよ!

ブツブツ言いながら階段をのぼり、カギを開けて入った。


玄関に亜弥の靴はなかった。

亜弥はいなかった。

部屋に入ると、恐ろしいくらい、一気に眠気が襲ってきた。

えっ!えっ、なに?

立ちくらみなんてレベルじゃない。

床に膝をついた。

コンビニの袋を置いて、リュックを放り投げ、それを枕に横になると、魂がぬけるみたいに眠りに落ちた。





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