アリスとの再会

 うんうん。人見知りならしかtーーないわけあるか!? 人見知りならこんな殺気込めて睨んでは来ないだろ!?


 何故か睨まれる俺、睨む女たち、宥めて謝るレオという、どう見てもカオスな状況に周囲の冒険者も若干距離を取る。というか、殺気が怖くて怯えている。そんなんでいいのか冒険者。

 このカオスな状況(早くなんとかしてれ)に一筋の光が差し込む。


「……え、なにこの状況」


 この声は! おお、女神よ! このクソッタレな状況を救ってくれるのか!


「えーと、あなたたちがCランクパーティーのリンカーズでいいのかしら?」

「あ、そうだよ!」


 って、女神じゃなくてアリスだった(黒髪美少女のことだよ)。

 というか、こいつらがリンカーズだったのか(繋ぐ者達……人間関係繋げれてないけど大丈夫か?)。てことは、レオが、


「じゃあ、あなたが唯一のBランク冒険者のレオかしら?」

「そうだよ。まあ、といってもまだまだだけどね。君がアリスさん?」

「ええ、そうよ。臨時パーティとしてよろしく頼むわ」

「こちらこそ」


 ほへー、アリスも同じパーティなのか。


「……で、どういうじょうきょ……あ! 腰抜けのリョウ!」

「なんだ、その不名誉なあだ名は!?」


 引き篭もり、臆病者、腰抜けと来たか……次はどうなるかな……


「ふん、本当のことでしょう。ようやく街から出たかと思えばずっと低ランクの魔物しか相手にしてないじゃない」

「え、いやでも、俺のランクだと普通じゃないか? それにこの辺、そんなに強い魔物いないじゃん」


 そう、ここはオルテシアの辺境であり、長閑なものだ。え? 辺境って、魔物とか強いんじゃないの、だって? それはガチの辺境だ。ここは、あくまでも「オルテシア」の辺境なだけで、みんなが想像する辺境ではない。国境に近いと言うだけでなにも魔物の領域の近くという意味ではないのである。よって、この辺は強い魔物なんて全くいない。

 だからこそ、今回のダンジョン騒ぎで皆焦っているのだから。

 え? アルバートがゴブリンキング討伐してたよって? みんな、原則があれば例外があり、例外があれば特例があるものなんだ。以上説明終わり。


「……いやまあ、そうなんだけど」


 正論返しでアリスはなにも言えないようだ。


「それに俺は腰抜けではない。慎重なのだ」

「あら? 私はパーティに寄生するクズと聞いたのだけれど」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る