Eランクの俺には関係……

「緊急依頼だ! 近隣の森にてダンジョンが発見された。その調査及び攻略が依頼になる。Dランク以上は強制だ」


 Dランクか……Eランクの俺には関係……


「あ、リョウさん、依頼の方はどうでしたか?」

「あー、ゴブリンが九体しかいなくて、一匹、アサシンなんですけど……」


 シーラさんに声をかけられ、討伐部位を入れた袋を渡す。にしても、こんな時に何故……


「あ、大丈夫ですよ。達成ということで……あ、Dランクへの昇格条件を達成しましたので、緊急依頼の対象になってしまいました」

「……計ったな!?」

「……すみません」


 く、いい笑顔ではないか。人手が足りないということか……?


「どちらにしろ、リョウさんにはダンジョンまでの道案内をしてもらう必要があって、依頼に参加してもらわなければならないので」

「そういうことでしたか」


 なんだ、そういうことだったのか。でも、別にランク昇格しなくとも……


「低ランクだとバカにされることがあるので」


 シーラさん……! 俺のことを考えて……


「では、リョウさん、ダンジョン探索の臨時パーティを組むことになるので、修練場に行ってください」

「あ、はい」


 修練場とはその名の通り、冒険者たちが武技や魔法の特訓する際に使用する場所である。俺もたまに使っている。

 修練場で一度、冒険者たちでパーティを組ませて、ある程度の連携の練習をさせるつもりかな? 臨時パーティだから、勝手がいまいちわからんだろうし。

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