略奪者の異世界転生〜友人の異世界転移に巻き込まれなかったせいで、異世界転生しました〜

間話 神の恐怖

　子供の反応を見て、当初の暇を潰す、という目的は達していたが、ただ一つだけ、神にとって、計算外なことが起きていた。

　システムが子供に適用されないのだ。神にとって、このようなことは初めてであった。子供の親である勇者達もシステムが適用されていたにも関わらず、その子供は適用されない。神はかなり動揺した。システムが適用されなければ、ス（・）テ（・）ー（・）タ（・）ス（・）も（・）ス（・）キ（・）ル（・）も（・）使（・）え（・）な（・）い（・）のだ。

　さらに神は混乱の渦に叩き落とされる。子供がステータスを出したのだ。

　神は驚き、システムを確認し始めた。すると、システムの一部が部分的に消失していたのだ。神にとって、初めてのことに動揺しているうちに子供がゴブリンを殺した。すると、ゴブリンは完全に消滅したのだ。

　通常、人間でも魔物でも、死ねば、ステータス、やスキルがシステムに還元され、魂が次の生命に転生するのにも関わらず、ステータスもスキルも魂でさえも消失したのだ。

　神は原因究明のためにシステムの解析を始めた。

　この時には、子供のことなどすっかり忘れていた。