略奪者

 現在、神殿にて、なんかよくわからない部屋で儀式を受けています。なんで、窓ないのに明かるいんだろうか。謎の発光するステンドグラスもあるし、謎空間だな。


「では、職業適正の儀を始めます」

「はい」


 どうやらこの時期に職業適正の儀は通常行われないらしく、シーラさんが口利きをしてくれなかったら来年に行われることになったそうだ。本当、シーラさんには感謝しなきゃだな。


「それでは。主よ、主の子を導かんことを」


 そう、司祭? が唱えると同時にステンドグラスの光が急激に強まっていき、視界が白く染まる。


「目がぁぁぁあ」

「静かに!」

「ごめんなさい」


 ジョークを言ったら怒られた(悲)。


「……え?」


 え? 何その反応。


「……神託が聞こえない?」


 ? 神託?


「あの神託とは……?」

「は! あ、神託というのは、儀式をした時、どのような職業を与えたか、創造神様から神託を授かるのですが、それがなかったのです」

「へー、って、それはマズイのでは!?」

「一応、ステータスで確認してもらえますか? もしかしたら、何か記載されているかもしれません」

「分かりました」


 さてと、ステータス、ステータス、と。


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リョウ・アマギ 17歳 人間 

職業 略奪者lv1 ゴブリンlv1


職業スキル

《繁殖》《異種姦》

スキル

なし

ユニークスキル

なし

異能

《略奪》

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 うわー、なんかそれっぽいも増えてるー。これ、言っちゃても大丈夫なのか……よし、誤魔化そう!

 そう考えたのが良くなかったのか、儀式が終わったことを察したのか儀式の間の扉がノックされる。


「終わりましたか?」

「シーラさん、終わったので入ってもらっても大丈夫ですよ」

「ありがとうございます」


 ……嘘つけねぇ。


「えーと、略奪者らしいです」

「「?」」


 え? 何その反応(2回目)


「司祭様、略奪者とは?」

「私も初めて聞きます! 略奪者……本殿の方にも記録がないか問い合わせておきます。何かわかれば、ギルドを通して、情報をお伝えします。リョウ様も何かわかれば教えて頂きたいのですがよろしいでしょうか?」

「あ、はい。大丈夫です」

「ありがとうございます」


 まあ、何はともあれ、やばい職業ってわけでもなくて一安心だ。


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