両親は何したんだろうか……

 事情説明が終了した。


「嘘は言っていません」

「おいおい、マジか、アマギって……」


 真偽官によって、俺が嘘をついていないことがわかったようだ。ギルマス、アルバート、真偽官のお姉さんも驚愕している。


「おい、お前……まさか、異世界から来たのか?」

「そうなりますね」

「「「……!」」」


 俺も驚いてるよ。異世界に転生したと思ったら、そこでは、両親が勇者として活躍していた世界って……もはや、どんな確率なのか想像もできない……やっぱり、宝くじに当たっているということでは!?(錯乱)


「……ちなみに勇者との関係は……」

「おそらく両親です」

「「「……」」」

「いやー驚きですよね。あはは」


 重いな。ここの空気。


「なあ、マイクどうするよ。この話」

「……二人とも俺たちは何も聞かなかった。いいな?」


 こ、こいつ……見ろ、お姉さんも呆れているぞ。


「ギルマス……」

「だって、こんな話、ヤバいぞ。下手すりゃあ、こいつ巡って、戦争だぞ?」


 戦争って、そんなことになるか?


「リョウ、戦争になるか? って顔をしているな。お前は勇者の人気っぷりを知らないからそんな顔ができるんだ」

「……え」


 父さん、母さんは一体、何をしたんだ!?


「というわけでこのことは他言無用だ。いいな」

「はい」「ああ」

「てな訳で、リョウ、お前、身分証ないんだろう? ギルドで登録してけ」

「あ、はい」


 冒険者ギルドで登録……テンプレだ。胸が鳴るぜ。


「ちなみに職業はなんなんだ?」

「え?」


 ……職業か。


「そういや、職業について聞いてなかったな」

「そういえば、そうですね」


 アルバートとお姉さんまで……ぐ、言いたくないが言うしかないか。


「……です」

「あ?」

「無職です」


 俺の言葉に全員が呆気に取られる。

 そりゃ、そうだよな。(血涙)

 だが、3人の反応は俺に予想とは裏腹に、


「はあ!? お前、成人過ぎてるのに儀式受けてないのか!?」

「儀式ってなに?」

「あー、異世界ではステータスもスキルもないんだったか……」


 あー、あの職業って、現在の職を表すわけではなかったのか。まあ、よくよく考えればそうだよな。


「ギルドの登録前に神殿で儀式を受けてもらうか。シーラ、お前、この後、仕事なかったよな? 悪いが連れて行ってくれないか? 俺はアルバートと少し話があるからよ」

「わかりました。では、リョウさん、私と行きましょうか」

「あ、はい」


 なんか、流れに流されちゃうな。NOと言えない日本人だなー

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