聞こえない
僕は人を騙す言葉が嫌いだ。傷つける言葉が嫌いだ。世界はそんな言葉で溢れてる。何かを成そうとすれば「無理だ」、やり遂げると「できると思ってた」「お前のせいで俺は不幸だ」。そんなの、僕からしてみればひどく無価値で、邪魔な言葉たちだ。だから僕は耳を塞いだ。
僕の嫌いな言葉は全部シャットアウト、聞こえない。僕が好きな言葉で満ちた世界は気持ちいい。
僕の目の前で誰かが怒ってる。そんな攻撃的な言葉、僕には届きっこないのにね。伝わるのはこの人が僕に酷いことを言っているということだけ。
僕は君が好きだった。可愛くて、行動は思いやりに溢れていて、いつも僕が欲しい言葉をくれる人だった君が。でも最近は全く言葉を交わしてはいない。
ああ、寂しいな。君の声が聞こえなくなったのは。まあでも、騙す言葉は嫌いだからね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます